ブルックナー 交響曲第4番『ロマンティック』 ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン2008-09-05 Fri 21:00
![]() ↑HMVのサイトに飛びます ブルックナーの4番は、聴き手にとっても、演奏者にとっても、微妙な難しさをもっている音楽です。 ブルックナーの作品中、7番から9番が最高のものとされ、それに次ぐ存在として5番、3番の名前が挙がります。 で、4番は、ポピュラリティから言えば第一の作品であるにも関わらず、いわゆるブルックナー党からはやや冷ややかな眼で眺められているのが現実ではないでしょうか? それはこの作品の、親しみやすさと、それについに同居し得なかった内容の高潔さ(の欠如)に原因があるのではないでしょうか。 冒頭の深い呼吸のホルンからして、ブルックナーを聴く醍醐味を感じさせますが、大袈裟にいえばその部分こそ、最大の聴き所であって、あとは緩やかな下り坂をするすると降りてゆくような音楽に感じられてしまうのです。 とくに凡庸な楽壇と指揮者によるものでは、その印象から逃れられないようです。 ですが、ここでのブロムシュテットとドレスデン国立歌劇場管弦楽団の録音には、そうした通弊を払いのけるだけの魅力があります。 このコンビは第7番も残していて、それは以前に最大級の名盤としてこのブログでも採りあげさせていただきましたが、ここでの充実ぶりはその名盤を彷彿とさせるものです。 第一楽章の全合奏による9:45〜の輝かしいながらに秋晴れのドイツの空を思わせるような壮麗さも見事ですが、第2楽章の、楚々としたなかにひとすじの涙を見るような音色がまことに美しいのです。 また、スケルツォの浮き立つようなムードをもっともよく表現しえた演奏ともいえると思います。 第4楽章は、第8番のフィナーレに通じるような巨大な空間の震撼を伝えるような音楽に育て上げており、聴いていて作品の性格上の欠陥をほとんど味わうことなく、ブルックナーを聴く醍醐味にひたらせつづけてくれます。 私がすぐれた演奏だと思うブルックナーの4番は本当に数少ないのですが、当盤はその中でも最右翼ではないかと考えます。 ブロムシュテットの正統ながら威風堂々とした音楽作りもじつにすぐれていますし、ドレスデンのオーケストラのしなやかで光輝に満ちた表現には圧倒されてしまいます。 録音も第7番同様のクオリティで収録されたきわめて品質の高いもので、名オーケストラの筆舌に尽くしがたい響きをよくとらえており、いまもってすこぶる優秀録音であるといってよいかと思います。 とくに最終楽章8:00以降の音楽など、ここまで感動的に演奏された例を、私は知りません。 価格もきわめて廉価ですから、当作品を鑑賞される際に、第一におススメしたい名盤といえそうです。 ぜひご入手・ご聴取ください。 (録音 1981年) DISC Recommend 1 演奏 ★★★★ 2 録音 ★★★★★ 3 不朽 ★★★ 4 買得 ★★★★☆ 5 必須 ★★★☆ ![]() ↑あなたもいますぐこの名盤をゲットできます! HMVでクラシック クラシック人気blogランキング♪ |
名盤☆プレゼント企画12008-09-04 Thu 12:45
9/5に採りあげる名盤を、1名様にプレゼントします。
応募方法は、ブログ拍手のコメント欄から名乗り出ていただくやり方にしようかと思っていますが、また発表します。 気になる明日の推薦盤は……ブ○ックナーのタイトル(愛称)付作品? 水辺の写真がジャケットの名盤ですよ〜!! クラシック人気blogランキング♪ |
ベートーヴェン 交響曲全集 バーンスタイン指揮ウィーン・フィル2008-08-29 Fri 21:00
![]() ↑HMVのサイトに飛びます ベートーヴェンの交響曲全集ともなると、名盤が目白押しです。 このブログでは以前、カラヤンの62年盤を推薦いたしました。また、カラヤンのデジタル録音についてもレビューしました。 これらも確固たる名盤で、その地位も揺らぎそうにないものですが、これとはまったく性格の違う名盤も、当然ながらあります。 今回採りあげるのが、バーンスタインとウィーンフィルによる録音で、おそらくDGではカラヤン盤についでセールスされている、これまで廃盤の憂き目を見たことのない定番であると思います。 バーンスタインがニューヨークフィルの音楽監督を辞してヨーロッパで活動を始めたのは、1970年代でした。 そこで親密な関係を築いたオーケストラはいくつかありますが、その代表は、なんと言ってもウィーンフィルだったでしょう。 ウィーンフィルへの接近は、バーンスタインの、自ら施した【再教育】であったとする見方が大半で、たしかにウィーン時代以降の彼は、ニューヨーク時代にはなかった巨匠性と、音楽への傾倒の深さを増してゆくのでした。 そんな中、彼がウィーンフィルとはじめて取り組んだ大作がベートーヴェンの全集であったことは、前記の見方を証明しているかのように思われます。 ここでのバーンスタインは、ウィーンの伝統的な音楽作りを充分に踏まえながらも、そのうえに彼らしい重みと存分の感情移入をおこなった演奏を展開していて、徹頭徹尾流麗に磨きぬかれ、一陣の疾風のようなカラヤン盤とは、また違う種類の魅力を獲得しています。 たとえば第3番『英雄』の葬送行進曲における、地球の重力をひとりで引き受けようかとするがごとき巨人的足取りなど、その最たる例ですし、第9番『合唱付き』の、すこぶるドラマティックでありながらオペラ的な軽躁には陥っていない声楽のあつかいなど、美と流麗を旨とするカラヤン盤とはかなり異なる種類の音楽といえますが、際立って感動的な名演となっており、つよく心を揺さぶられます。 ややキッシュであったバーンスタインの特質を、ウィーンフィルの伝統のフォルムがキャッチするとき、そこには幸福な結婚が生まれて、その結果として産み落とされた嫡子がこの全集ということもできるでしょう。 実際、バーンスタインの激情と引力の禍々しさを(これは誉め言葉のつもりです)、ウィーンフィルだけがきわめて音楽的な言語に変換できたように聴こえますし、その意味ではかつてのニューヨークでの録音より、はるかに【音楽的】で、ともすれば語りたいことをすべて言い尽くせなかったようなニューヨーク時代の彼とは打って変わり、その類稀な想念・知性が、音楽といまこそ直結して語りだすという大きな結実を見ているようです。 前記の2曲以外に、たとえば第6番『田園』のウォームで広闊な包容力は、その最終楽章において、かつてのワルター以来の感動的な【歌】になって聴き手に響いてくるものですし、第7番の、バーンスタインの言葉を借りれば「クレイジーな」音の狂乱も、見事なまでにやりきっていて、文句なくすぐれた演奏といえるでしょう。 さらに特筆すべきは初期の第1、第2番における充実で、古典派ハイドンやモーツァルトの名手として知られたバーンスタインの面目躍如たるものがあります。 これほど音楽の愉悦に充ちた初期交響曲は他には見られないもので、その意味でも神品といって差し支えないだけの内容ではないでしょうか。個人的な感想では、ときおりベートーヴェン自身が指揮しているようにすら思えるのです(作曲者が指揮者として劣拙であったことは、この際問題の外におくとしてです)。 全体のテンポは遅めですが、ウィーンフィルの柔らかな弦楽はそれを弛緩させずに美しい旋律としてつねに表出させています。また、バーンスタインが全力を解き放ってオーケストラを鼓舞するとき、その音の力は、天空に向かってアキュレートに放射されるような感動的な色彩を帯びてすらいるようです。 その後もバーンスタインは、ウィーンフィルとブラームスやシベリウス、マーラーなどに名盤を多く残しましたが、このベートーヴェンこそ、第一に指折られるべき名盤であるとの考えは、私のなかで不変のものです。 録音状態もまず万全ですから、なるべく多くの方にお聴きいただき、ベートーヴェンの音楽の偉大さに触れていただきたいと思う次第です。 (録音 1977-79年) DISC Recommend 1 演奏 ★★★★★ 2 録音 ★★★★ 3 不朽 ★★★★★ 4 買得 ★★★★★ 5 必須 ★★★★★ ![]() ↑あなたもいますぐこの名盤をゲットできます! HMVでクラシック クラシック人気blogランキング♪ |
バーンスタインと恩師S教授2008-08-24 Sun 13:01
私がバーンスタインをよく聴くようになったのは、わがフランス文学科の恩師S教授の影響が大です。
S教授はバーンスタインの大ファンであられ、卒業後6年が経ったいまでも、親しくやり取りさせて頂き、いわば私の生涯の師であると思っております。 今週採りあげたレニーのベルリオーズも、S教授からお借りして聴きこんだディスクです。 来週にはレニーのベートーヴェン全集を採りあげるつもりですから、お時間があれば眼を通していただきたいものです。 生涯の師、といえるような方を見出せたことは、私にとって人生の最大の喜びのひとつでした。 先生、たまにはコメントしてください(笑) クラシック人気blogランキング♪ |
ベルリオーズ 幻想交響曲 バーンスタイン指揮フランス国立管弦楽団2008-08-22 Fri 21:00
![]() ↑HMVのサイトに飛びます 数ある交響曲の中でも、特異な地位を占める傑作がベルリオーズの『幻想』です。 ここに託された表題や、その内容を現す管弦楽法、無限のやさしさと憧憬と嫉妬、絶望と希望と哀れみ、あらゆる極端な感情のエキスが注入された作品であり、いわゆる【テーマ】を持った標題音楽としても、その嚆矢となってリヒャルト・シュトラウスやチャイコフスキー、リストに影響を与えたであろう傑作です。 ですがこの作品は、常套的な演奏では、なかなかその真価を理解するのには至りません。 散漫な印象(これは作品そのものの瑕でもあるのですが)ばかりが強調され、物語性や感情のアマルガムを堪能することが難しいからです。 かつてカラヤンやアバドにより名盤といわれた録音も世に出されてきましたが、それらの硬派な構築性に縁取られた演奏の見事さは認めるとしても、いささか作品の毒性を失って、ロマン派のごく尋常な作品のようにブラッシュアップしてしまっていた印象があったものでした。 これに対抗するように個性的名演の系譜もあり、かのミュンシュの爆発的名演や、その弟子筋に当る小澤征爾の若々しさの限りの凄絶な音楽もありました。 ここでとりあげるのは、そうした個性的名演の流れを汲んで、バーンスタインとフランス国立管弦楽団によって録音されたディスクです。 いったいバーンスタインという人は、1970年代にパリに活動の拠点を置いてから、どれだけフランスのオーケストラと演奏したのでしょう? ご存知のように彼のフランスでの録音は少なく、ヨーロッパでのパートナーといえる団体はウィーンフィルであり、ついでロンドン交響楽団、コンセルトヘボウ管弦楽団といった具合でしたから、フランス国内での活動は我々がいま想像しても、あまり行われなかったのではないかといえそうです。 しかしながら、ここでフランス国立管とコンビネーションを組んで演奏されているベルリオーズの驚異的な生命力と、情熱の躍動は驚異的ですらあって、しかも晩年のバーンスタインが見せたような限度を超えたテンポの弛緩や粘着質が見られないという意味でも素晴らしいのです。 どうやらここでの彼は颯爽として力にあふれたニューヨーク時代と、奥深さと巨匠性を増したウィーン時代の中間に位置するであろう音楽を実現していて、熟れすぎる寸前の果実の素晴らしさといでもいったものが確かに味わえます。 バーンスタインのこのような指揮でベルリオーズの『幻想』を聴くと、この音楽がもっているあらゆる極端な性質が、すべて一つずつ詳らかにされてゆくように感じられるのも驚くべきことですし、他の演奏では聴けなかったような物語性が、このアメリカ人指揮者の手によって光を当てられて燦然と映える様子は、七色の発光体のようなミステリアスな美しさを見せていて圧倒されるようです。 第4楽章『断頭台』のグロテスクさもミュンシュに匹敵するような生々しさであり、しかも録音の良いことでは一日の長があります。また、いかにもフランスのオーケストラらしい響きの洒脱さも、エスプリとして効いているようです。 最終楽章の絢爛な音絵巻もこの盤ならではの素晴らしさで、たとえばアバドのようなフレッシュなスマートさからは遠いですが、バーンスタインの長所が遺憾なく発揮されて、随所に思い切りの良い演奏を実現していることには感じ入ってしまいますし、そのなかにもユーモラスな表情を欠かさないので、この標題音楽の不気味さをも(ひょっとすると作品が本来備えている以上に)再現し尽くしていて、まさに聴き終えて満腹となる思いが致します。 いかにベルリオーズの『幻想』が異常なまでの素材の多様さを持った作品とはいえ、これほど満腹感を味わわせてくれる演奏はバーンスタインだけではないでしょうか。 鐘の音から続く行進の音楽も彼ならではのデモーニッシュなニュアンスを万全に表出し、しかもそれが晩年のシューマンのような【あまりにマーラー的すぎる】味付けとなっていないのもたいへん好ましい点です。 バーンスタインの驚異的才能に感動・興奮する名盤といってよく、個人的には彼の多くのディスクの中でも指折りの傑作といえると思います。 このような録音で聴いてこそ、この交響曲の真価がわかろうというものですから、この作品を苦手としていた方にもぜひお聴きいただきたいです。 また、全盛期のEMIらしいふくよかで生々しいサウンドも特筆されます。 (録音 1976年) DISC Recommend 1 演奏 ★★★★★ 2 録音 ★★★★ 3 不朽 ★★★★★ 4 買得 ★★★★ 5 必須 ★★★★ ![]() ↑あなたもいますぐこの名盤をゲットできます! HMVでクラシック クラシック人気blogランキング♪ |







