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クラシック音楽CDから、不朽の名盤(&廉価盤)にふさわしいものを点数付で紹介してゆくブログです。初心者の方も歓迎です。新潟でのコンサートレビューもあります

ベートーヴェン 交響曲第5番&第6番『田園』 カラヤン指揮ベルリン・フィル【カラヤン祭4】


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交響曲第5番、俗に『運命』と呼ばれるベートーヴェンの作品です。
ハ短調を使ったこと、構築性に優れた彼の作品の中でも、最高の完成度と深遠さを持った傑作で、古今の交響曲中でも、屈指の存在といえます。
カラヤンは、晩年のこの録音で、力感を少しにおろそかにしない演奏を繰り広げています。
やや予定調和的と思える部分が無きにしも非ずではありますが、公平な眼で見ても、普遍的な良さを持った名演と評価されるに足ります。
非常に直線的に彫刻された美の世界を堪能させてくれる演奏であり、いわば究極にシリアスで美しい第5番ともいえそうです。
1962年の、前のめりになるほどの勢いはここには見られませんが、晴れ晴れとした歓喜の歌は、吹っ切れたよさも感じさせ、ベルリンフィルの安定し卓絶した演奏技術のすばらしさとともに、やはり他の指揮者では得られない領域に達しています。
最高にカッコいいし、爽快さを感じさせる演奏でもあります。

第6番『田園』は、宮城谷昌光氏の解釈によると、自殺を考えた都会に住む人間が、田舎にたどり着き、そこで心を癒されて再起する音楽だといいます(集英社新書『クラシック千夜一曲―音楽という真実』より)。
なるほどそう考えると、じつにさまざまなものが見えてくるのも事実です。
この作品は前述の第5番とともに初演されましたが、あるいはベートーヴェンは、この2曲の根底に流れているものは、同質の問題なのだと認識していたのかもしれません(私のまったくの推測です)。
カラヤンの田園は、他の指揮者とはまったく違う解釈で知られました。
ある評論家の方は、これを【スポーツカーで田園地帯を走りぬけるようなベートーヴェン】と評していましたが、おそらくこれは、スポーツカーをも、またベートーヴェンをも、カラヤンをも見下した言い方ではないかと思います。
ベートーヴェンは田園という曲になにを託したのか?
それが心の再生という問題だとすれば、ここでのカラヤンの演奏を、簡単にしりぞけることはできません。

第1楽章「田舎に到着したときの晴れやかな気分」
第2楽章「小川のほとりの景色」
第3楽章「農民達の楽しい集い」
第4楽章「雷鳴と嵐」
第5楽章「牧人の歌、嵐の後の喜ばしく感謝に満ちた気分」

という楽章構成を持っている曲ですが、いってみればカラヤンほど、【都会人が田舎に来て心をなごませてゆく様子】を呼吸としてみごとに現している指揮者は、私はいないと思うのです。
アンチ・カラヤンと呼ばれたかたがたには興味のない話かもしれませんが、カラヤンという人は、ベルリンフィルの終身音楽監督でありながら、生涯ベルリンには住み着かず、オーストリアのアニフという山村(彼の故郷ザルツブルク近郊)に居を構えていました。
『私は田舎にしか住めない人間なのです』と何度も告白しており、その言葉の真実を、彼のブルックナーやシベリウスのすばらしさに聴くこともできると思います。
たしかにこれは、人懐っこい『田園』ではありません。
やや気取った人間のそれですし、カラヤン自身それでよい(無理に理解されなくてよい)と思っていたようでもあります。
でも、私はこの録音の、嵐(第四楽章)から続く感謝の歌(最終楽章)に、孤独の中に救いを求めて、それを得たいと思った人間の、切実な歌を聴くように思います。

全集最初期の録音です。
後期のものと較べると、たしかに音質はやや硬いかもしれませんが、多くの方には気にならない程度でもあります。
ふくよかさを持っている再生装置ですとわりあい気持ちよく聴けそうです。

ソアヴォ1は、3ウェイ4スピーカーなのですが、ユニット間の繋がりがとてもいいですね。
そのために、よく音楽に浸って楽しめるのだと思います。
微妙なニュアンスや音楽のパッションをも伝えてくれようとするスピーカーです。

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輸入盤のカラヤン・ゴールドといえば、国内盤よりも音質が優れていますし、通常価格では2200円くらいなのに、1300円弱で買えるのはうれしい限りですね。
ぜひご入手ください。
そして感想も聞かせていただければうれしいです。

(録音 1982年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★☆
2 録音 ★★★☆
3 不朽 ★★★★☆
4 買得 ★★★★
5 必須 ★★★★


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ベートーヴェン 交響曲第4番&第7番 カラヤン指揮ベルリン・フィル【カラヤン祭3】


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ベートーヴェンの交響曲第4番を評した有名な言葉に、シューマンが言ったとされる、
【北欧の二人の巨人(エロイカと第5番)に挟まれた可憐な乙女】
というものがありますね。
その言葉どおり、ベートーヴェンのシンフォニー中でも、もっとも古典的均整のとれた端整な作品で、リリシズムにも欠くことのない音楽です。
しかし反面、無限の生命力が湧き出してくるような不思議な趣をも備えており、そのことは、かの伝説的名指揮者カルロス・クライバーがこの交響曲に執心し、繰り返し採りあげていたことからも察せられます。
ここでのカラヤンの演奏は、クライバーほどの若々しい力の爆発こそ見られませんが、全体に力感のみなぎった音楽作りをおこなっており、可憐というだけには終わらせない意図が見えるようです。
ベルリンフィルもよい反応でそれに応えており、いつものことではありますが、低弦の凄みなど、かなの聴きものといえます。
安定感抜群の指揮ぶりは堂に入っているともいえ、それでいながら、けっして音楽の生命力を失わない行き方でもあるので、聴いたあとには充実感が横溢します。
必ずしも同曲の演奏史に残る録音とも思いませんが、聴いていて不満を覚えるところはなく、隠れた佳演であるといえそうです。

第7番は、より積極的なアプローチがされています。
のだめカンタービレでメイン曲のひとつとして使われ、一般にも有名になった作品です。
ただし、ベートーヴェンの交響曲中、好楽家には随一と思える人気を誇っていた作品でした。
数多くの人気投票で、ブラームスの1番と首位争いをしてきた過去があります。
クライバーの名演もよく知られていますが、いっぽうでカラヤンもこの曲を得意とした指揮者のひとりでしょう。
むしろクライバーの名演も、カラヤンの録音に大きな影響を受けて生まれたものではないかと私は思います(クライバーのカラヤン崇拝は有名でした)。
冒頭から巨大なエネルギーの奔流を感じさせる音楽になっており、その輝かしいサウンドと、徹底して美しく練られた音楽には比類がありません。
いってみればバリがすべて削り取られたような美しさがあって、鏡面的ともいえる独特の境地に達しているともいえます。
あるていどの荒さを残しつつ、激しいエネルギーの放出をおこなったクライバーとは微妙に異なったゆき方ではありますが、双方ともに甲乙つけがたい名演といえそうです。
第二楽章アレグレットの高貴な表情にも特筆すべきものがあります。
若やいだ三楽章や、この作品の心臓部とも言える最終楽章は、とても75歳の老指揮者の音楽とは思えません。
とくに最終楽章は、光輝きわまった音楽の乱舞、音楽の力を爆発的に解放されたフィナーレとさえ思え、武者震いがするほどの興奮を味わわせてくれるのです。
どうやらこれは、カラヤンの同曲の録音でも最右翼の出来栄えと思います。
また、ベートーヴェンの7番を聴く際には、避けては通れないディスクともいえそうです。

全集中でも初期のセッションではありますが、録音状態はまず万全です。
四番のみ、やや高域が詰まったような印象がすることもありますが、些細なことであって、よほど神経質に聴かなければ気にならないのではないでしょうか。

SOAVO1の音は、昨日を境に激変しました。
時折、耳鳴りがしている?と思うほど凄まじい鳴りっぷりで、決してAccuphaseのアンプ群に格負けしていません。
また、アキュフェーズにとっても、よい相性のようで、聴いているだけで幸せです。
WR250F03さんのいうように、アキュのシステムコンポ(笑)は、これから長い付き合いになりそうです。
お金もないしね・・・・・・(笑)

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(録音 1983年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★☆
2 録音 ★★★☆
3 不朽 ★★★★☆
4 買得 ★★★★☆
5 必須 ★★★★☆


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ベートーヴェン 交響曲第3番『英雄』&『エグモント序曲』 カラヤン指揮ベルリン・フィル【カラヤン祭2】


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もはや伝説化しているのが、カラヤンの『エロイカ(英雄交響曲)』です。
彼の十八番といえる作品は、ブラームスの1番と、この『英雄』だと思います。
この全集を酷評していた方々も、これだけは褒めていることが多かったという、真に相性のよい組み合わせが、力を存分に発揮して感動的名演として結実しているように思います。
とにかくカッコよく、どこにもダルさがない演奏であって、それだけでも凄みを感じさせますが、ささやくような弦楽合奏から、咆哮するフォルティッシモまで、音の磨かれかたが尋常ではないです。
まさにモダン楽器・大オーケストラによる最高の錬度と音楽性を誇る名演奏といえます。
そしてやはり、ここではウィーンフィルではなく、ベルリンフィルが必要だったと思います。
低弦の厚みと切れ味はいかなウィーンフィルでも持ち得ない凄まじさですし、カラヤンの手足となって音楽に奉仕するベルリンフィルのサウンドは、同楽団としてもパーフェクトに近い練り上げに成功しています。
第一楽章から、すでにこの演奏の超絶的完成は明らかですが、楽章を追うにしたがって白熱の軒昂ぶりを見せつけ、音楽のすばらしさとはこういうものかと、ある種の陶酔ととともに聴き手に印象づけます。
ベートーヴェンの魂が感じられない?などと某評論家が言ったらしいですが、作曲家本人に聴かせてみたいものです。
私は、絶賛されると思います。
一切のあいまいさを残さず、磨きぬかれた音で決然と演奏されていて、それがカラヤンの美学といえばそのとおりです。
おそらく『エロイカ』は、傑作ぞろいのベートーヴェンの交響曲のなかでも最高傑作候補の最右翼と思われます。
カラヤンはおそらく、この録音を最後と思っていたはずです。
聴いているうちに様々なものが私の心中を去来し、いつしか感動にひたってしまいました。
こんなに気高い音楽が、かつて存在したということ。
誰にも媚びず、自分ひとりの力と決意で、歩み続けた指揮者がいたということ。
それだけで驚異と尊敬に値します。

なお、併録の『エグモント序曲』はいささかテンポ設定に疑問の余地ありとします。
なにかに追われるような演出には理解もするのですが、いかにも軽い音楽になってしまっている気がして、残念です。

録音は新全集中でも最良のバランスで、みごとな出来映えと思います。
リマスターもかなり成功しています。

SOAVO1は、カラヤンの美学の集大成であるこの演奏を、私の心に迫るような音楽にして聴かせてくれました。
スピード感と力感の絶妙なバランスは、いかにも新生YAMAHA NATURAL SOUNDだと感じ入った次第です。

告知記事の最初にも書きましたが、いま、この盤はHMVで半額セールのような価格でバーゲン中です。
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(録音 1984,1985年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★☆
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4 買得 ★★★★
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ベートーヴェン 交響曲第1番&第2番 カラヤン指揮ベルリン・フィル【カラヤン祭1】


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ベートーヴェンの第1番は、すでにハイドンの世界を超えている、というのが、私の見解なのですが、皆さんはどうでしょうか?
ここにパパ・ハイドンの影響を認めるのに苦労しないとはいえ、師にはなかったスケール感と書法の力強さを、すでにベートーヴェンは発揮しています。
カラヤンの演奏は古典派の殻をいまにも破りそうなベートーヴェンの覇気を、いかにもよく表現しているところに惹かれます。
この曲をこじんまりとしたスケールの音楽にまとめてしまう指揮者は多数派を占めると思います。
それはそれでひとつの見識ですが、最晩年のカラヤンが、実は若々しさのみなぎる演奏で、この処女交響曲を描きあげていたのは、私にとって新鮮な驚きであり、うれしさでもありました。
アインザッツは、むしろ1970年代にも増して重厚になっていますが、重苦しさは感じられません。
カラヤンの指揮で聴くとき、この交響曲が傑作と呼ばれる作品であると、実感されてくると思います。
最終楽章の音の競演は耳にもご馳走です。軽やかな序奏にのって、次第に大きな音楽がやってくる様子は、聴いていてわくわくします。
信じにくいですが、第5番なみの迫力で演奏されています。
あ、なんだか本当に、この全集、食わず嫌いしていた気がする・・・・・・(苦笑)

第2番は、とにかく第二楽章ラルゲットの無比の美しさに尽きます。
ため息をこぼすこともできないほど魅せられます。
カラヤンはここで、この美しい楽章を、息を止めて聴き入るほかない音楽にしています。
第三楽章〜最終楽章はソロ楽器が活躍し、華やかな出来映えに彩りを添えます。
最終楽章など、やや常套句的な演出が過ぎると思われる部分もありますが、よほど悪慣れしたリスナーでなければ気にならないものでもあります。

録音は、この輸入仕様カラヤン・ゴールドに限っていえば、巷間よく非難されるようなギスギスした硬さとは無縁で、自然なハイファイ録音です。ダイナミックレンジはやや狭いですが、オーケストラのアインザッツの特色をよく捉えた仕上がりには満足できると思います。

SOAVO1は、特定の音域に偏る癖がまったくなく、かつて1000Mで聴かれたようなユニット間の仲の悪さが顔を出しません。
そのぶん穏当といえるサウンドではありますが、バランスのよさ・完成度の高さは無類です。
低域はとてもクリアで反応も鋭く、凝った素材のバスレフポートも有効に作用していて、風きり音は私の環境ではほぼ無視できます。

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(録音 1984年)

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1 演奏 ★★★★
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ベートーヴェン 交響曲全集 カラヤン指揮ベルリン・フィル(1961-62年)


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ベートーヴェンの交響曲全集は、いったいどれほどの数があるのでしょう?
もしかすると100近いのではないかという気がします。
私が持っているだけでも数十種類あります。
そのなかで、まず第一にお勧めしたいのが、このセットです。

カラヤンがベルリン・フィルの音楽監督に就任したのは1954年。
それから数年後に、彼はほかの誰もやったことがないことに挑みます。

ベートーヴェンの交響曲全集を、すべての録音がそろった状態で、セットとして(!)売り出すのです。
当時はレコードの単価が高く、一曲ずつそろえてゆくような買い方があたりまえでした。
それにあえて挑むところに、カラヤンの自信のほどがうかがえます。
レコード会社は大変危惧したこの企画ですが、予想をはるかに上回る大当たりを見せて、大成功を収めます。

数年でベルリンフィルを完全に掌握した、カラヤンの指揮芸術の精華がこめられた演奏が録音されていたことが最大の原因でしょう。
それを、当時の水準では考えられないほどの良好なステレオ録音で残したグラモフォンのスタッフも賞賛されてしかるべきです。
いま聴いても、とても自然で暖かみ・輝きのある音で、ややもすると彼の70年代の全集の鋭い音や、80年代のぎすぎすした音よりもよいのでは?と思えるほどの好録音です。

カラヤンの指揮ぶりも、いい意味で若さを残した、意気軒昂なもので、とくに3、5、7、9といった奇数番号の作品は、彼の絶好調時の特徴でもある、前のめりのテンポが随所に見られ、異様なほどの熱気と完成度の高さをみせつけています。
サウンドと指揮の切れのよさ、オーケストラの抜群の充実があいまって、空前絶後とも言えるベートーヴェン全集になっています。
反面、後年の彼ほど、解釈に鋭さが生まれてきておらず、4、6、8などの偶数番号も、セクシーかつ豊かな雰囲気をもっていて、最高です。
最高の傑作はやはり9番でしょうが、ここではソプラノのヤノヴィッツの信じられないほど美しい名唱が聴けるのもポイントです。

最高のお勧め盤セットのひとつで、カラヤンの最高傑作のひとつでもあります。
ベートーヴェンの交響曲全集は、これを聴きこんでから、次のチョイスに移ってもいいと思います。
最初に聴いても鮮烈ですし、ほかのセットを聴いてから戻っても、凄さを再確認させられるセットです。

CDでは、リンク先にあるOIBPリマスター盤が、もっともナチュラルにサウンドをよみがえらせていて、好印象であると思えます。
現代の録音にはなくなってしまった【音の力強さ】を感じます。
カラヤンのジャケット写真もいちばんカッコイイかと。後悔しない為にもこちらをおススメします。

(録音 1961-62年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★☆
3 不朽 ★★★★★
4 買得 ★★★★
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