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ブラームス ヴァイオリン協奏曲 パールマン(VN)&ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団


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ブラームスのコンチェルトは交響曲に劣らずすばらしいものです。
ここに聴くヴァイオリン協奏曲も、古今の名曲といわれ、いわゆる三大ヴァイオリン協奏曲に数えられています。

パールマンはユダヤの血を引くヴァイオリニスト。
下肢の不自由なハンディを背負っていますが、その美音は、彼のそうした不如意など微塵も感じさせないものです。
つねに(ときに楽天的といえるほど)屈託なく明るい音色で、卓越した演奏技術を駆使して行くところ可ならざるは無しという勢いでもって弾き進めていっているのが、いかにも印象的です。
持ち前の濡れたような美音が、ブラームスの晦渋さをいくぶんなりとも和らげて、ここではむしろおだやかな慈しみの音楽としていますし、闊達自在と評すべき無比のテクニックで、すべての楽想を丹念に描いてゆくのも、このひとならではの素晴らしさです。

パールマンがこの曲を、つねに前向きな音楽にしていることは、あるいは味わいの不足として感じられる危険もないとはいえないはずですが、それをジュリーニのきわだってシリアスな伴奏がおぎなっていますから、ここで両者の特質の幸福な結婚があって、最高の名演として結実しているのも、むしろ当然という思いが致します。
20世紀後半に、もっとも偉大な指揮者のひとりとして活躍したジュリーニは、ブラームスの音楽を、正面からの解釈でとらえきって、いささかも手を抜かず渾身の伴奏をつけており、パールマンの、ふとした拍子に軽薄に流れがちな欠点を絶妙にサポートしているのです。

シカゴ交響楽団の無比の演奏能力も、両者の音楽作りを大きく助けております。
とくにジュリーニも、パールマンも、基本的には【歌の人】ですから、そうした彼らの旋律を重視する傾向を、きりりと引き締まったサウンドで、どんな瞬間も軟弱に聴かせないのはさすがというほかありません。
(そしてまた、歌心に欠ける奏者では、ブラームスの音楽が、ただ堅苦しいだけのものに堕してしまう恐れがあるのも、いうまでもありません)

全体に、力量充分な三者が本領を出し切った結果の名演となっていて、この曲のリファレンスとして文句なく薦められるものです。
録音も、アナログ完成期のEMIらしい、音のニュアンスを最優先させた暖かみのあるもので、聴きながら幸福になってしまうほど状態がよいです。

価格もきわめて廉価ですから、ぜひともひとりでも多くの方にお聴きいただきたい名盤といえます。
仏ACC、ADFディスク大賞、米グラミー賞を受賞しています。

(録音 1976年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★★
5 必須 ★★★★


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ブラームス | コメント:2 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

こんにちは。
パールマン&ジュリーニ/シカゴ響の演奏は、発売されてから数年の内にFM-NHKで放送され、カセットテープに録音しました。
この演奏は歌にあふれ、ヴァイオリンとオケの音が美しく、いっぺんに好きになりました。以来僕のお気に入りの演奏になりました。
この曲の演奏は5種類以上は聞いていないので、偉そうなことはいえませんが、僕の中では一番です。
2008-07-03 Thu 10:28 | URL | よんちゃん #-[ 編集]
コメントありがとうございます。
私の中でもいちばんかもしれません。
このパールマンとジュリーニのコンビ、素晴らしいですね。
彼らにはベートーヴェンでの共演盤もありますが、ブラームスのほうが両者のカンタービレが見事に結実していて幸福な結婚という印象があります。
また、コメントお寄せください。
2008-07-04 Fri 10:21 | URL | 北国タクト #dBXh/C6s[ 編集]

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