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ブラームス ピアノ協奏曲第2番 シュミット(P)&ケーゲル指揮ドレスデン・フィル


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ブラームスの真髄は協奏曲にこそある、と私は思います。
なかでも最大の傑作と評価が高いのが、このピアノ協奏曲第二番です。
技術的にも、メンタル的にも、演奏至難な作品として知られ、一流のピアニストと指揮者、オーケストラでなければ、万全の演奏ができない難物でもあります。
ここでの演奏は、アンネローゼ・シュミットがピアノを受け持ち、ケーゲル指揮ドレスデンフィルの伴奏を得て録音されたものです。

序奏のホルンで、良否がほぼわかってしまうような作品ですが(少なくとも否はわかる)、そこからピアノのアルペジオがすべりこむ様子など、ため息がでるほど素晴らしい。
シュミットのピアノもさることながら、ケーゲルのサポートが、ブラームスを知悉した技という感があり、オーケストラもまことに詩情ゆたかに演奏しています。
ピアノ独創は、凛々しいなかに芯の通った良さがあって、女流とは思えないほど力強くもあり、孤高の境地に達しています。
3:25からの難しいパッセージも完璧に弾きこなし、馥郁たるロマンを味わわせてくれます。

第二楽章の気高い表現も無類のよさで、これだけ決然とした音楽を聴くと息苦しささえ感じるほどですが、同時にそれはブラームスの真摯をよく現してもいるのです。
そう思えば、このシリアスさこそ正義といえましょう。

第三楽章は、オーケストラのチェロ独奏がカギとなります。
ピアノがチェロと静かに会話するように、月のしずくのような音を紡いでゆきます。
ベートーヴェンの『皇帝』に匹敵する、至高のアダージョというのにふさわしい楽章を、ここまで見事に弾かれると、言葉なく聴き入ってしまうのみです。
私はかつて、東京交響楽団がスダーンの指揮で、名ピアニストたるゲルハルト・オピッツの演奏する同曲を聴きました。
それはたいへんな名演でしたが、第三楽章のチェロ独奏を、同楽団首席奏者のベアンテ・ボーマン氏がつとめ、ブラームスの音楽の精髄を聴かせてくれました。
そのときの感動はいまも私のなかで生きています。

第四楽章は、光を求めて走るようなピアノ。
ここでのシュミット女史は、スケールこそほどほどですが、やはり速めのテンポを遵守して、難しい曲に華を添えています。
それにしても、なんと表現の振幅が巨大な曲でしょう?

ドレスデン・ルカ教会の深々とした残響もあって、録音はとても良好です。
とくに低域の質・量の充実はオーディオ的にも楽しめるものになっていると思いますので、ぜひよい装置でお聴きください。

廉価でもありますし、この曲の録音では屈指の名演と思います。
ぜひお聴きいただきたい内容のCDです。

(録音 1979年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★☆
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★
4 買得 ★★★★★
5 必須 ★★★★


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