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チャイコフスキー ピアノ三重奏『偉大な芸術家の思い出のために』 スーク・トリオ


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ピアノ三重奏というと、室内楽にあまりなじみがない方には、よほど地味な印象があるのではないでしょうか。
ですが、無視できない傑作群が、存在している分野でもあります。
ブラームスやシューベルトにも傑作がありますが、まずはじめはこのチャイコフスキーから聴きはじめるのがいいかもしれません。

というのも、いっけん地味な印象のピアノ三重奏を、チャイコフスキーは、いかにもロマン派の作曲家らしく、ドラマティックで味わいの豊潤な傑作として書き上げているからなのです。
いかにもロシアの作曲家に手になる哀切そのものというメロディなど、いつまでも心に残るすばらしさです。
すくなくともこの曲を聴いて退屈するとは思えませんし、チャイコフスキーらしく、華やかな演奏効果も抜群で、実演で聴いても満足を与えられる確率の高い作品です。

スーク・トリオは、いわゆる家族的な絆を長所として活躍を続けたチェコの国宝的アンサンブルといってよく、その演奏はつねに最高の燃焼を示しながら、気高さを失うことがないのも特筆できます。
この作品はチャイコフスキーが私淑していた大音楽家の死を契機として書かれたもので、感情の没入も激しいものですが、たとえばそうした、第一楽章の【慟哭】もさることながら、第二楽章前半のアダージョに、聴くほどに労わりの心、慰めの感情を感じとれる、深々とした呼吸の音楽を築いているところなど、まさに緊密なアンサンブルならではの室内楽を聴く醍醐味を教えられる思いが致します。

名人パネンカのピアノを軸として、【弦の王国】といわれたチェコの名手たちが織り成すすばらしい音楽を、DENONの録音が克明に記録していて、その点もまことに素晴らしいです。
とくに2トラック目、5:00〜の部分など、涙なしには聴き得ない美しさの極地という思いがします。

第二楽章後半の輝かしい、雄々しく進む音楽も見事に再現されています。
まさにもっともよい状態にあったスーク・トリオの最高傑作といえる録音であると判断できますし、曲とアンサンブルの同質性がここまでの名演を産んだのだといえなくもありません。
ぜひ多くの方にお聴きいただきたい名盤・名演・名録音ですし、こんなCDからピアノ三重奏や室内楽に熱中してしまうことも、大いにありそうだという気がします。
1000円の国内盤という最高のバーゲン・プライスですから、迷わずお買い求められると良かろうかと存じます。

(録音 1979年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★★
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★★☆
5 必須 ★★★


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東京交響楽団 第48回新潟定期演奏会 2008/5/18 於りゅーとぴあ

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指揮 ユベール・スダーン
ピアノ リーリャ・ジルベルシュテイン

☆プログラム☆
シューベルト 交響曲第1番
プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番
シューベルト 交響曲第4番

われらが音楽監督のスダーン登場で、いやがおうにも期待が高まりました。
シューベルトの交響曲は、作曲家の若々しいロマンを表現していて十全の出来ばえでした。
緊密でしなやかなアンサンブルは、やはりスダーンならではでしたが、オケの音色の進歩も光っていたように思います。
スダーンが音楽監督に就任してから、たしかに進歩を続けているように感じられます。

しかしながら、この日の白眉はプロコフィエフ。
これはロシア作曲家のピアノコンチェルトでも屈指の名曲であると思いますが、演奏効果をあげるのには、たいへんな技巧が要求されます。
ジルベルシュテインはそのハードルを楽々とクリアしているようで、唖然とするほどのテクニックを披露してくれましたし、どちらかといえば甘口ではなくハードなタッチで弾ききっており、女流らしいたおやかさよりも、ヴィルトゥオーゾ的な醍醐味をまざまざと見せつけてくれて圧巻でした。
最終楽章の追い込みもめざましいほどで、あざやかに弾ききってくれて会場はブラボーの嵐でした。
解釈もごく正統的で、即興性や発見には乏しいですが、正道をゆく見事な音楽でした。

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