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チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番、ヴァイオリン協奏曲 ベルマン(P)、フェラス(VN)&カラヤン指揮ベルリンフィル


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このCDに収められてるチャイコフスキーの協奏曲ほどロマンティックな名曲は、クラシックの世界でもほとんどない。
いずれも良く知られた有名曲ですが、それだけではなく、むしろ交響曲では構成の弱さとして露呈しまったチャイコフスキーの旋律重視の発想が、ここではもっともよい形で現れているのです。

カラヤンは、西側諸国で、チャイコフスキー演奏の権威的存在でした。
シンフォニーはいうに及ばず、コンチェルとの分野でもめざましい録音を何度もおこない、そのなかには、リヒテルと共演した歴史的名盤といえるものもあります。

ここでのピアニストはラザール・ベルマンですが、彼は超絶技巧の名手として知られています。
たしかに第一楽章の8:30〜9:15の部分など、すさまじいほどの技術的充実も感じさせますが、そればかりが先行せず、音楽に奉仕した内容になっているのは、とても感銘深いものです。
やはりこれは、チャイコフスキーに理解と共感を持って取り組んでいた、カラヤンあってのことだと思われますが、雪の玉で遊ぶような可憐な第二楽章、疾駆する管弦楽に伍してピアノが輝きを放つ第三楽章、いずれもが、きわめて高いテクニックに裏打ちされた名演といえます。
カラヤンは前述のリヒテルやワイセンベルク、キーシンともこの曲を録音し、それぞれ名演として知られますが、やや地味な印象のあるこの録音こそ、もっともオーソドックスで、しかも実際の充実は素晴らしいものがあるのです。
この録音を聴いてこのピアノ協奏曲の名作を味わい尽くして欲しいと思います。
やはり最大の聴きどころは第三楽章、5:00〜5:55の落雷のような打鍵でしょうか。

ヴァイオリン協奏曲でソリストを務めるクリスティアン・フェラスは、カラヤンと幾多の録音を残した名ヴァイオリニストとして知られています。
たとえばこの曲にも、カラヤンは晩年に、ムターと残した名盤を持っていますが、そちらが豊潤で、独特のムターらしい美音で隈取られているのに対し、フェラスはより落ち着いて、格調高い名演です。
充分抑制が効いているにもかかわらず、大変な美音で、それだけでも魅力的です(個人的には、これほど美しい音のヴァイオリニストはそういないと思います)。
テクニックにも難渋せず、かえって楽々と弾いているようにすら聴こえるのは、素晴らしいとしかいえません。
無人の野を王者がゆく印象すらしますが、6:35〜の有名な旋律では、カラヤンの指揮ともども、耽美的ともいえるほど徹底して歌いこまれ、何度聴いても飽きることがありません。
やや短調な第二楽章も颯爽と弾ききっていますし、難物として知られる第三楽章は、闊達自在な名技に、聴きながら心踊ります。第三楽章8:00以降、ラストまでの技巧は、凄みさえ感じるものでした。
しかもそれが、最上級の音楽性を持っているのですから。

これら二曲とも、とてもよい音で聴けます。カラヤンのチャイコフスキー録音でも屈指の名録音です。
ベルマンのピアノの音をブリリアントに捉えていますし、フェラスの美音を、克明に保存しています。
とびきりの名演といえる演奏ともども、大変に安価ながら、チャイコフスキーのコンチェルとの理想的名演として、推薦させていただきます。

これが976円で買えるなんて(ため息)!
聴かないと損、です。

(録音 1965、1975年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★☆
2 録音 ★★★★☆
3 不朽 ★★★
4 買得 ★★★★★
5 必須 ★★★★


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