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ラヴェル バレエ音楽『ダフニスとクロエ』全曲他 小澤征爾指揮ボストン交響楽団


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小澤征爾がボストン響の音楽監督に就任し、ラヴェルの作品集を録音したことは先日書きました。
そのなかから、傑作バレエ音楽『ダフニスとクロエ』を収めた一枚。

有名なディアギレフの依頼を受けて作曲されたこの作品は、1912年にパリで初演されました(指揮者はモントゥー)。
内容はラヴェルの傑作とも言われ、フランス音楽の中でも特別の地位を占めるにいたっています。
主題に統一性を持たせ、交響曲のような循環動機の使用を図っていますし、いかにもラヴェルらしく、知性と音楽性の両立が取れていて、聴くほどに惹きつけられます。
また、彼の作品中でも、もっとも豪奢な響きを持っていて、音を聴くこと自体が耳のご馳走ともいえるほどです。

小澤征爾とボストン交響楽団の演奏は、ここで洗練と豪奢・華麗の三位一体をきわめています。
ラヴェルの、一見複雑な書法も小澤の手にかかるととても見通しのよい、聴きやすいものになるから不思議です。
また、歴代フランス系指揮者によって薫陶を受けたボストン交響楽団の響きの美しさは、筆舌に尽くせません。
けっしてフランスのオーケストラに劣るものではないです。そればかりか、彼らフランス系のオーケストラに較べて、メカニクル的な優位性を持ちつつ、洗練された音色は、たいへん魅力的なのです。

私は『ドルコンのグロテスクな踊り』がとても好きなのですが(笑)、ここでの小澤&ボストン響のコンビは、ゆくところ可ならざるものは無し、という闊達自在の冴えを見せています。
他の曲に関しても、欠点を探すのが難しいほど精密に磨きぬかれた演奏で、しかも小澤征爾らしくホットな勢いをも決して失っていないのには唸らされてしまいます。
また、合唱のあつかいに長け、そのサウンドの良さを巧みに引き出している点も注目されます。

録音は、先日取り上げた管弦楽曲集に較べて、わずかに後塵を拝するものの、充分に素晴らしく、輝かしいものです。もともとオーディオ的な魅力も存分に持っている曲ですから、その意味でも楽しめます。
このアルバムと、先日の『ボレロ』その他を収録したアルバムとで、ボストン響&小澤征爾のラヴェル作品集は、ほぼそろえることができます。
たいへんな力作、傑作でありますし、記念碑的録音の集成でもあるこれらのアルバムを、ぜひ多くの方にお聴きいただきたいと思っています。

(録音 1973年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★★★
5 必須 ★★★★


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