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ブルックナー 交響曲第8番 ショルティ指揮ウィーンフィル


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もう一枚、佳演のブルックナーを挙げます。
クラシック・ファンなら誰でも知っているように、ショルティは、ワーグナーの超大作『ニーベルングの指輪』全曲盤をはじめて完成させた指揮者です。
しかもオーケストラはウィーンフィルでした。

ショルティのブルックナーというと、日本ではあまりなじみがないですが、彼はシカゴ交響楽団ともすぐれた全集を完成させていますし、マーラーとブルックナー双方で全集を完成させているのは、本当に珍しいことです(しかも、そのいずれもが高いレベルです)。
これは、その全集より十年以上さかのぼる録音ですが、『リング』全曲盤完成の余勢をかったとでもいうのか、掌握しきったウィーンフィルをよくドライヴして、ブルックナーの最高傑作を雄渾に彫りこんでいます。
ですから、ウィーンフィルの力強さや底力がクローズ・アップされている録音といってよく、その剛毅な迫力では比類がないですし、ためらいを見せない思い切った快速テンポで、本来複雑で難解であるはずのブルックナーの音楽を、見事なまでに直線化しているのには感心させられます。
そうかと思えば、緩徐楽章での神秘的な響きや、フィナーレの迫力にもまったく欠けることがありません。
むしろ、フィナーレの爆発力では、有数の凄みを見せているほどです。

ブルックナーの最高傑作あらそいは、未完の第9番を除けば、この第8番と第7番が双璧でしょうが、やや竜頭蛇尾の感がある第7番に較べて、第8番の構成のバランスのよさが、ショルティの構築性の堅固な指揮で浮き彫りにされています。
凡庸な指揮者の手にかかると、行儀の悪い大蛇のようになってしまう大曲ですが、すみずみまで神経が行き届き、しかも常に勢いを失わない好演となっています。

録音も1966年と思えないほど良好なもので、むしろ往時のウィーンフィルの美質をよく保存していると思え好印象です。
また、全曲が一枚におさまることが少ない第8番を、ディスク交換なしに鑑賞しうる数少ない盤であることも、特筆しておきたいと思います。

(録音 1966年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★
4 買得 ★★★★
5 必須 ★★★


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