CLASSIC音楽 不朽の名盤 バイヤーズガイド☆クラシックの名盤・廉価盤情報サイト☆

クラシック音楽CDから、不朽の名盤(&廉価盤)にふさわしいものを点数付で紹介してゆくブログです。初心者の方も歓迎です。新潟でのコンサートレビューもあります

SONY プリメインアンプ TA-F555ESRを入手しましたv

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SONY プリメインアンプ TA-F555ESRを入手しましたv
私のサブシステム、会社の自室用のアンプです。
いままでKENWOOD KA-990EXを使っていましたが、これは798クラスでしたから、定価13万程度の555ESRへ一気にグレードアップしました。
LS-300Gをドライブするのに、990EXに不満はなかったのですが、プレーヤーが898のSONY CDP-337ESDでしたから、これによりふさわしいグレードにしてあげたいという思いはありました。

大変な美品・完動品を運良く安価で手に入れまして(CD2枚分)、設置替えをおこないました。

結果として、よりスケールの大きい表現が聴けるようになりましたし、音の輪郭がビシッとして来て、よりリアル感が増したようです。

990EXはたいへん低音の豊かなアンプでしたから、その意味で低音の量が増えることはなかったですが、その制動力は見事で、さすがに高級アンプという印象です。

私はソニーのTA-F555シリーズでは555ESX、555ESLも使ってきました。
555ESXはとても豊かな音楽再生をしましたが、低域は量はともかく質に問題があり、ブーミーになりがちでした。元気が良すぎるというか。
555ESLはきらりと輝くような高音を持っていましたし、低域も力がありましたがその量はやや少なく、555ESRに較べると腰高で安定を欠くサウンドでした(ただJBLの中型スピーカーとの相性は抜群でした)。
聴いていて安心するし、聴き疲れをしにくいのが555ESRです。
結果として、音楽再生の能力もいちばん高く、楽しませて聴かせるアンプだと思います。

そのデザインも素晴らしく、いまではすっかりお気に入りのアンプとなっています。
LS-300G(LS-1001)との相性もばっちりです。

会社で音楽を聴く時間はかなり多いので(一日2〜3時間)、大切に使ってやろうと思っています。
外装はウッド含めてほぼ無傷で、ほとんど使われていなかったらしい程度の良さでした。

ラックスのL-580とはぜんぜん違うキャラクターですが、違う性格のアンプを持つのも楽しさのひとつですね。

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ブルックナー 交響曲第8番 ショルティ指揮ウィーンフィル


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もう一枚、佳演のブルックナーを挙げます。
クラシック・ファンなら誰でも知っているように、ショルティは、ワーグナーの超大作『ニーベルングの指輪』全曲盤をはじめて完成させた指揮者です。
しかもオーケストラはウィーンフィルでした。

ショルティのブルックナーというと、日本ではあまりなじみがないですが、彼はシカゴ交響楽団ともすぐれた全集を完成させていますし、マーラーとブルックナー双方で全集を完成させているのは、本当に珍しいことです(しかも、そのいずれもが高いレベルです)。
これは、その全集より十年以上さかのぼる録音ですが、『リング』全曲盤完成の余勢をかったとでもいうのか、掌握しきったウィーンフィルをよくドライヴして、ブルックナーの最高傑作を雄渾に彫りこんでいます。
ですから、ウィーンフィルの力強さや底力がクローズ・アップされている録音といってよく、その剛毅な迫力では比類がないですし、ためらいを見せない思い切った快速テンポで、本来複雑で難解であるはずのブルックナーの音楽を、見事なまでに直線化しているのには感心させられます。
そうかと思えば、緩徐楽章での神秘的な響きや、フィナーレの迫力にもまったく欠けることがありません。
むしろ、フィナーレの爆発力では、有数の凄みを見せているほどです。

ブルックナーの最高傑作あらそいは、未完の第9番を除けば、この第8番と第7番が双璧でしょうが、やや竜頭蛇尾の感がある第7番に較べて、第8番の構成のバランスのよさが、ショルティの構築性の堅固な指揮で浮き彫りにされています。
凡庸な指揮者の手にかかると、行儀の悪い大蛇のようになってしまう大曲ですが、すみずみまで神経が行き届き、しかも常に勢いを失わない好演となっています。

録音も1966年と思えないほど良好なもので、むしろ往時のウィーンフィルの美質をよく保存していると思え好印象です。
また、全曲が一枚におさまることが少ない第8番を、ディスク交換なしに鑑賞しうる数少ない盤であることも、特筆しておきたいと思います。

(録音 1966年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★
4 買得 ★★★★
5 必須 ★★★


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ブルックナー | コメント:0 | トラックバック:0 |

ブルックナー 交響曲第7番 ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレ


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ブルックナーの交響曲に、シベリウス作品との類似性を指摘したのはカラヤンでした。
繊細でささやかな、静謐な美の世界であるシベリウスと、荘厳で巨大な、大伽藍のようなブルックナー。
いっけん似ても似つかないと見える両者ですが、両者に共通しているのが、【人間の営みを超えたところで音楽が成立している】点ではないでしょうか。
ただシベリウスは、フィンランドの凍土に降りた朝焼けや、光ひとすじさえ通らぬ夜のような音楽を、ひたすら個絶して書きましたが、ブルックナーは、まさに自然(もっといえば宇宙)そのものを音楽にしてしまったようなところがありますす。
シベリウスにしてもそうですが、これは単純な自然描写の音楽というのではありません。
そうではなくて、ブルックナーをすぐれた演奏で聴くとき、その音楽は自然(宇宙)と、質量ともに匹敵するものとして、聴き手に感じられるということなのです。
ブルックナーはそれだけ、途方もなく巨大な存在でありえるのです。
音楽が人間の存在をちっぽけに感じさせる、などということが信じられない方は、ブルックナーを聴いてみると、その考えを改めることになるのではないでしょうか。
たとえば宇宙飛行士は、青い地球を見たとき、人間同士の争いを、取るに足らないものとして感じるらしいですが(これは問題の軽視ということではなくて、たとえば民族単位に根ざした思考から脱却する、ということらしいです)、ブルックナーの音楽に身を浸していると、自分の悩みや苦しみが、一瞬でも、ひどく取るに足らない事象のように感じられてくるものです。

それだけの圧倒的な力を持っているブルックナーだからこそ、演奏者には人を選びます。
私は、ブルックナーを演奏するものは、一種の聖人のような心で、その音楽に触れて欲しいとさえ思っています。
そうでなくて、どうしてあの荘厳な音楽が手に負えるでしょう?
実生活云々ではなく、ブルックナーに接するときだけは、清らかな精神でいてほしいと思いますし、そうして生み出されてくる演奏は、やはり名演の資格を帯びているように感じます。

ここでのブロムシュテットの演奏も、そうした名演の系譜に名を連ねるものです。
私は、ブロムシュテットという指揮者を信頼しています。
彼は決して器用なタイプではないと思いますし、音楽が硬いときもあります。
ですが、むやみな即興的演奏を避ける自制心の強固なことと、音楽に奉仕する姿勢は、素晴らしいものがあると思えます。
そうした彼の一世一代の名演というべき演奏が、このブルックナーではないでしょうか。

ジャケットのせいもありますが、まるで静かな湖面に、日光が射しこむように始まる第一楽章が白眉です。
この楽章を聴くだけでも、ブルックナーの素晴らしさを体験できます。
音楽は移ろってゆき、深い森のため息のようにささやき、山肌を覆う雪のように、凍てついた輝きを見せています。
また、巨大な悲しみの音楽ともいえる第二楽章もすばらしい。
深い呼吸から生み出されてくる音楽は、あくまでゆったりと流れてゆくのに、すこしも弛緩したところがないのです。
凡庸な演奏なら、すぐに音楽の流れが滞ってしまうアダージョですが、ここでの指揮も、オーケストラも、見事です。
一転して第三楽章は俊敏なスケルツォ。スケールはさほどでもないですが、充実しています。
第四楽章フィナーレは、これだけの前半楽章のあとに持ってくる音楽としては、いささか拍子抜けですが(ここではブルックナーの音楽が、そういうふうにできているのです)まずは万全の出来栄えです。

録音も聴優秀といえます。
1980年のデジタル録音ですが、ブルックナーの音楽をここまで精密に、しかも美麗に捉えた例はほかにないと思います。
世界最古のオーケストラのひとつ、ドレスデン・シュターツカペレ(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)の信じがたいような美音が、委細まで録音に収められています。

ジャケットデザインもすばらしく、また内容にも見事な一致を見せているのもポイントです。
結論めいたことを申しますと、数ある演奏の中でも、同曲の最高の名盤のひとつであり、また価格の安さもあいまって、最高級の推薦をさせていただきます。

こんな最高のCDからブルックナーに入れる人は、本当に幸せです。
クラシック音楽に親しむいちばんの秘訣は、最初から最高のものを聴くことにあるからです。
そうやってできた物差しは、後々まで財産となるに違いありません。

(録音 1980年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★★
3 不朽 ★★★
4 買得 ★★★★☆
5 必須 ★★★★★


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ブルックナー | コメント:4 | トラックバック:0 |

ブラームス 交響曲第1番他 ベイヌム指揮コンセルトヘボウ管弦楽団


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ブラームスの交響曲第1番は、クラシック音楽でも屈指の人気曲です。
人気投票をおこなうと、一位にランクされることが多いことも、その人気ぶりを物語っていますが、人気にともなう内容を持っていることも無論です。
ブラームスが呻吟を重ね、足掛け20年以上の年月を費やしてようやく完成させたこの交響曲は、長く苦しい旅路と、苦悩との戦い、そして勝利と開放の音楽として、ゆるぎない完成度を持ちえるにいたっています。

ベイヌムはオランダの名指揮者です。
名門コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者を務めましたが、60歳手前で早世。
その早すぎる死は、いまでも痛恨事として語られることが多いですが、その意味も、死の前年の録音であるこのブラームスを聴けば、よく理解できます。

悲劇的な第一楽章の冒頭から裂帛の気合で弾きはじめられます。
気合が空転するような演奏も多いなか、ほんらい柔軟な音を出すのに定評あるコンセルトヘボウ管が、ベイヌムの統率の元、フルトヴェングラー/ベルリンフィルのような、大きく切れ味の鋭いアインザッツを聴かせています。
とはいえ、ドイツ的鈍重さとは無縁で、力強いながらあくまで見通しよく、安定感と推進力もどちらも犠牲にしない絶妙のテンポをつくり出しているのは、驚くほかありません。

第二楽章は聴き手を甘い追憶にひたらせるアンダンテ。
ブラームスが書いたもっともおだやかな【赦し】の音楽のひとつを、オーケストラの暖かな音色を生かしつつ歌いきっています。

第三楽章は、ひとつの楽章というより、むしろ最終楽章の前奏曲のような形で配置され、より速めの足取りでゆきすぎながら、直後に来るであろう激動をも予感させています。

その第四楽章は、冬の大荒れの海のようです。
おだやかにはじめられた音楽が、やがて大きく、熱いうねりを伴って、聴く者の心をあまさず巻きこんでしまうのです。
ホルンによる慰めのコラールは、心にそくそくと迫ってきます。
音楽は重層的に構築され、やがて夜明けを迎え、周到に導かれて【勝利】と【救済】を、力強く、心優しく描いてゆきます。
管弦楽の響きは、聴き手の心のひだに縦横にはいりこみ、慰めと喜びは全身にゆきわたっていきます。
強さにも、歌心にも、推進力にも不足しない稀有なフィナーレ。
足取りは決して重くならないのに、うわついた軽薄さとはいっさい無縁という奇跡のようなバランスを保っています。

ここまで音楽的に豊かで、熱い演奏なのに(特に14:00以降のコーダ)、見通しの良さを失っていないブラームスの1番は、ほかでは見られないものです。

ブラームスの第1番は、複雑な諸相を持つがゆえに、その人気に反して、名演を実現することが際立って困難です。
ベイヌムの遺作ともいえるこの演奏は、同曲の数少ない理想的演奏といえ、惜しまれて早世したこの名指揮者を代表する名盤でもあります。
また、数多くの名演奏・名録音を残してきたコンセルトヘボウ管弦楽団にとっても、ひとつの記念碑的演奏の記録であるように思います。

50年前におこなわれたことが信じられないほど、自然なプレゼンスを有する録音は、いま聴いても新鮮さとリアリティを失っておらず、フィリップスの録音技術の高さをうかがわせます。

とびきり廉価でもありますし、この曲を愛する方には、ぜひともお聴きいただきたい名盤中の名盤です。

(録音 1958年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★★☆
4 買得 ★★★★★
5 必須 ★★★★★


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ブラームス | コメント:2 | トラックバック:0 |

ホルスト 組曲『惑星』、Jウイリアムス 『スター・ウォーズ組曲』 メータ指揮ロサンゼルスフィル他


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平原綾香さんのポップスソング『Jupiter(ジュピター)』のオリジナル作品として、一躍有名になったホルストの『惑星』。
名指揮者ボールトによって初演され、1961年には早くもカラヤンがウィーンフィルと録音。
クラシックの世界では、カラヤンがとりあげたことで人気を博したような面もあります。

占星術の要素を取り入れて、七つの惑星を音楽に仕立てあげた作品です。
それぞれに明確なキャラクターが割り当てられた音楽は、聴いていてとても楽しいですし、オーディオチェックに欠かせない、ダイナミックなオーケストラサウンドが堪能できる作品でもあります。

ここではメータ指揮ロスフィル盤を推薦します。
ズービン・メータがロサンゼルス・フィルを率いていた時期に残されたものでも、最右翼といえる録音のひとつで、いま聴いても大変めざましい演奏だと感じます。
豊かでずっしりとした感触を持ったサウンド、輝かしい管楽器群、指揮者の解釈も、きわめて正統的で、しかも勘所よく各曲のツボを押さえており(この勘のよさがメータのすばらしさだと思う)、聴いていて飽きさせることがないです。
また、すばらしいオーケストラサウンドを、DECCAアナログ時代最優秀ではないかとも思える録音が、驚異的な音質でキャッチしていて、録音とオーケストラサウンド、指揮のマジックが、一体となって、ひとつの工芸品のような魅力を持っています。
よいオーディオで聴くことの喜びを感じさせる録音で、たとえばYAMAHA NS-1000MやダイヤトーンDS-2000などでぜひこのダイナミックな音をお聴きいただきたいと思いますし、同時に音楽も楽しませる点では、かけがえのない録音です。
もちろんカラヤン盤(特にウィーン録音)もすばらしいですが、やはり録音の鮮度でいま一歩及ばないですし(アナログLPの音質は驚異的によかった記憶がありますが)、レヴァイン/シカゴSOを、いささか荒っぽく感じる私は(それが魅力だということもよく理解するのですが)、このメータ盤こそ、『惑星』を聴くうえでいちばん手に取るCDです。
安心して聴ける暖かな音楽性と、エンターテインメント性の豊富さ、どちらも備えていますね。
はじめてこの曲を聴く人にはうってつけですが、その後もさまざまな演奏を聴いてみて、また戻ってくるような(と私はよくいいますが)、本当の意味での名演・名録音・名曲であろうと思います。

例の平原さんの『Jupiter』のメロディは、4曲目2:58〜4:55の部分です。
この部分も、同曲盤中屈指の感動的な演奏ですので、ぜひお聴きいただきたく思います。

ちなみに、このCDにはスターウォーズ組曲が併録されています。
こちらも有名な演奏で、サントラ盤とは違う、一流オーケストラ・一流指揮者の演奏で、このポピュラーナンバーを楽しませるものになっています。
いやぁ、これもすごい!
まさに一粒で二度おいしいCDなのです(笑)。

(録音 1971,1977年)

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1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★★
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★★★
5 必須 ★★★★


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その他の作曲家 | コメント:2 | トラックバック:0 |

マーラー 交響曲第2番『復活』 メータ指揮ウィーンフィル


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安くて録音・演奏の良い『復活』を紹介して欲しいとリクエストがありました。
そこで、この盤をとりあげます。

マーラーの交響曲第2番『復活』は、彼の作品中でももっとも派手で、いわば演劇的なほど身振りの大きい音楽です。
疑いなく彼の個性が隅々まで発揮されている作品で、その意味ではマーラー入門にも最適です。
しかし、その後もこの曲の魅力にとりつかれる聴き手が多いことを見ると、ただ派手でわかりやすいだけの音楽でないことも無論です。
指揮者にも、この曲を得意にする人が多く、祝祭的な演奏会でよくとりあげられる大曲です。
私も大好きな曲で、仕事でいささか関わったこともあるだけに思い入れも強いです。

メータは、かつてアバド、ケルテスなどともに将来を嘱望された指揮者でした。
これは彼の若き日の名盤で、初出時には、まだすぐれた録音が少なかったこの曲の決定盤として、高く評価されたものでした。
いま聴いても、そのクオリティの高さは大変なもので、当時難曲であったはずの『復活』をここまで表現しているのは、凄いとしかいいようがないです。
おそらくいま新盤としてリリースされても絶賛されるであろう名演で、とくに楽章ごとに見事にキャラクターを書き分けている点には感心されられます。

第一楽章の濃厚な悲劇性の表出も、コントラストのつけ方が見事で、やややりすぎと思えるほどですが(ただしマーラーにはこのくらいでちょうど良いとも思えます)、けっして流れを淀ませたりはしないのもよさのひとつです。
第二楽章のアンダンテは、いかにもウィーン・フィルの良さを出しています。
かと思えば第三楽章ではスリリングな指揮さばきを随所に見せ、飽きさせることがありません。
第四楽章のファンタジックな響きは、聴きながら夢みごこちにさせられます。
最終楽章はまさに音の大伽藍。マーラーの音楽としてもっとも感動的なピースともいえるこの楽章を、メータとウィーンフィルは強度も美しさも充分なサウンドで描きこんでいて、まったく不足するところがありません。
これはたいしたものだと思います。現代の名演とされるものでも、この楽章を充分表現しきっているのは、ほとんどないからです。
それにはウィーンフィルの力も絶大に寄与していると感じられ、若き身でこまでウィーンフィルをドライブしたメータの才能には、舌を巻かざるを得ません。
【最後の審判】以降の素晴らしさは、絶好調時のウィーンフィルのそれであり、声楽が加わることによって、さらなる感動の大団円へと向かってゆきます。
ソロの二人もまたとない美声で、そこに国立歌劇場のコーラスが力強く華を添え、音の洪水に聴き手をいざなってゆくのです。
オルガンが加わっても、けっしてがなりたてるのではなく、大変な共感を呼びおこしながら、すべての音が融合するように運ばれてゆく音楽は、とても感動的です。

録音もいまもって極上で、ほとんど不満を感じさせませんし、リマスターされて鮮度も向上しています。
また、この大曲が一枚に収録されているのも、とてもありがたく感じられますし(他にはほとんどないです)、価格も廉価といえるので、最初の一枚としては絶対のおススメですっ!

(録音 1975年)

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1 演奏 ★★★★☆
2 録音 ★★★★☆
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★★☆
5 必須 ★★★★


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補記

なお、メータ盤を上回る『復活』の超名演は、やはりバーンスタイン/ニューヨークフィル盤です。
これが演奏・録音とも究極の名盤ですが、値が張りますので、こっそりおススメしておきます。
練りに練られたもので、メータ盤のようなフレッシュさにこそ欠けますが、すさまじい表現主義の音楽になっており、これ以上の演奏はありません。
今後もこれ以上のものが出る可能性は限りなく低いでしょう。
コストパフォーマンスは低いですがこれ以外のCDがいらなくなると思えば逆にいいかも?

そのうち詳細にレビューします。

☆マーラー 交響曲第2番『復活』 バーンスタイン指揮ニューヨークフィル(1987年録音)

(録音 1987年)

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1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★★
3 不朽 ★★★★★
4 買得 ★★
5 必須 ★★★★★


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マーラー | コメント:7 | トラックバック:0 |

CDプレゼント企画とかメルマガとかのお知らせっ

近々メールマガジンはじめようかと思っております。
その週の更新の内容の予告(事前掲載)と、クラシック専門用語の専門用語や、ブログに登場する指揮者、オーケストラなどの演奏家のプロフィールなどを書いていこうかと思っています。

さらに!

定期的に(月1回かな)厳選された名盤CDのプレゼント企画も考えています。
(基本的に新品ではないですのでそこはご容赦くださいね)


1 メルマガでキーワードを公開

2 期間限定でブログにエントリー

3 拍手コメントで応募

4 当選者発表


という形にしようかと思ってます。
プレゼント企画第一回目は、伝説の名指揮者ブルーノ・ワルターの、あの名盤です!

ですので、メルマガの募集を見落とされないよう、ちょくちょくのぞいててくださいね。
拍手が少なければ反響なさそうだということで中止するかもですので、できれば反応ほしいですね〜
そうするとやる気も出ますしねっ

そんなわけで、ご期待くださいっ

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おしらせ | コメント:0 | トラックバック:0 |

アダージョ・カラヤン


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いわゆるコンピレーション・アルバム(さまざまな作曲家の作品を寄せ集めて作るディスク)が全盛のこのごろですが、そのきっかけともいえるのがこのアルバムではないでしょうか。
カラヤンが録音した膨大な作品の中から、とくにやさしいロメディ・おだやかな曲調のもの(いわゆるアダージョ)をあつめて一枚にしてしまったのですが、これが大ヒットしたわけです。
とくに日本では【癒し】というキーワードにマッチして、あらゆるCDショップで売られることになりました。

しばしば類似品がそうであるように、本格的にクラシックを聴きこんでいる人からは見向きもされないアルバムか?というと、決してそうではないのもこのCDの凄さです。
演奏はカラヤン指揮ベルリンフィルというクラシック音楽最高のブランドであるわけですし、曲も名曲ばかりです。
なかには『パッヘルベルのカノン』や『マーラーのアダージェット』『バッハのG線上のアリア』等の、超有名曲が含まれてもいます。
カラヤンが得意のレガート奏法でこれらの絶品アダージョを聴かせてくれるのは、この上ない贅沢で、たしかに癒し効果も存分に味わえますし、こんなに美しい音楽がかつて演奏されていたことに驚きを感じもするほどです。
個々の楽器の明瞭さよりもホールトーンや響きの余韻を大切にするグラモフォンらしい柔らかな録音も、こうした曲でこそ真価を発揮しますし、カラヤンが磨きあげたベルリンフィルのサウンドは最上の美の世界を描き出しています。

じつは私も、このアルバムを愛聴盤にしています。
かくれた愛好者もいそうだと思えるこの名盤を、クラシック入門盤としてお勧めしたいと思っています。
たとえばブラームスやマーラーは、曲の一部分だけが演奏されているわけですから、気に入ったら是非、全曲盤を買ってみて欲しいものです。
その全曲がいいと思えたら、今度はその作曲家の別の作品へアプローチするのもいいと思います。
同じ曲を別の指揮者で聴いてみる、という試みも、まったく違う側面が見えてきたりして、クラシック音楽の、深くて広い、海のような大きさにふれることになるはずです。

また、純粋なヒーリングミュージックとしても、私の経験上(笑)、これ以上のCDはないようにすら思います。
2008/2/20にこのCDの音質向上盤がリリースされます。
まだこの効果を味わっていない方は、ぜひお試しください。

(録音 1967-88年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★★★
4 買得 ★★★☆
5 必須 ★★★


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クラシック初心者へ | コメント:0 | トラックバック:0 |

けっこうクオリティの高いオーディオ装置を格安でそろえるっ!

クラシック音楽の鑑賞には、それなりのオーディオ装置が必要です。
ほかのジャンルと比較しても、特にそういえます。
楽器の配置などをステレオで再現できないし困りますし、ダイナミックレンジが広いので、ミニコンポ程度では音が飽和してどうにもならないのです。

ただ、だれでも最初はなにも持っていないものですし、そんなに大金をオーディオに投じるもためらいがあるはずです。
そこで、私が、ヤフー等のオークションを中心に入手できる、中古オーディオの組み合わせを提案してみます。
これらは実際に私が使用し(またはそれに準じ)、鑑賞に使える!と思ったものです。
カッコ内は相場です。1K=1000円です。
とくにオススメなものには☆をつけます。

・スピーカー KENWOOD LS-300G☆あるいはLS-1001も同様のもの(5K)

・CDプレーヤー KENWOOD DP-1100SG(10K)☆、DP-990SG(5K)、SONY CDP-337ESD(9K)☆、338ESD(10K)

・プリメインアンプ KENWOOD KA-990EX(5K)、DENON PMA-390(5K)、SONY TA-555ESL(17K)☆

私を信用して(笑)、最低限の投資をしてもいいという方、この組み合わせをそろえてみてください。
きっと、予想以上の音になるはずですよ。
ならなかったらごめんなさい☆彡

機器の情報とかは、リンクの『オーディオの足跡』さんや『オーディオ懐古録』さんで見てくださいね。

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ショスタコーヴィチ 交響曲第5番他 バーンスタイン指揮ニューヨークフィル他(1979ライヴ)


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ショスタコーヴィチは近年を代表するシンフォニストです。
マーラー、シベリウス後、もっとも交響曲が演奏された作曲家だろうし、傑作も多い。
ここで取り上げるのは彼の代表作であり、名刺代わりともいえる第5番です。
あらゆる意味でベートーヴェンの第5番『運命』を意識して書かれた作品だといわれていますし、実際、現代のベートーヴェン的作品として、『ネオ・ベートーヴェン・スタイル』という言葉でも知られています。

ベートーヴェン的だと書きましたが、それはこの音楽が、ある意味で明快な、苦闘→勝利という図式を描いているからです。
その意味で、この交響曲のドラマを、もっとも雄弁に聴かせてくれるのが、ここでのバーンスタインの演奏です。
これは1979年に東京文化会館でおこなわれた伝説的なライヴの録音なのですが、ライヴでこそ本領を発揮する彼の、一世一代の名演のひとつです。録音で残されている中では、記念碑的な演奏ともいえます。

第一楽章は、出だしから指揮者も、オーケストラも、この演奏会にかける気迫が並々ならぬことを訴えかけます。
松田優作の映画にも使われて有名になった音楽ですが、一瞬にして、聴き手の耳をひきつける力があります。
ニューヨークフィルの実力が存分に発揮され、ショスタコーヴィチらしいメリハリあるテンポを、レニーがいかにもノリノリになって進めてゆくのがよくわかります。
行進曲的なアプローチがすぎると、苦闘のクライマックスともいえる部分を形成します(12:00〜)。
その後、やがて静かな鳴動に移ってはいきますが、チェレスタの響きは、心の暗部を描くかのようで、ささやいては闇に消えてゆきます。
第二楽章はいきいきとしたいたずらっ子を見るような音楽。いかにも楽しげに演奏されていますが、その対比がすさまじいのが、この交響曲の白眉でもある第三楽章。
ここまで悲痛なアダージョが、いったいどのような精神状態で書かれたものなのか、判断に苦しむほどです。絶望の底にある心の闇をいいまで描きつくしたようなこの音楽を、あえて書かねばならなかったショスタコーヴィチとは、いったいどのような人なのでしょうか。
このすさまじいコントラストを演出しているのも、自身すぐれた作曲家でもあったバーンスタインの独壇場です。
第四楽章は苦しみから這い上がるようなフィナーレ。栄光に満ちた勝利の音楽を、すべての力を振り絞って力演しています。些細なミスは散見されますが、これほど全力投球で演奏されるのを聴くと、そんなことはどうでもよくなります。
この異例ともいえるテンポの速さは、バーンスタインの天才がそうさせたのでしょう。これを聴いてしまうと他のどんな演奏も手ぬるく感じられます。ラストのコーダ部分では、マーラーの写し絵のような歓喜の音楽となって幕を閉じてゆきます。

録音は今もってとても良好で、デジタル初期の弊害をほとんど感じさせません。
やや音が硬いかもしれませんがそれも曲によくあっていますし、マッシヴで力感にあふれるサウンドは、とても聴き映えがしますので、オーディオチェック用にも適していると思います。

全体にライヴならではの凄さや即興的な良さが随所に見られますし、バーンスタインがショスタコーヴィチの傑作にかける思いが結実した名演といえます。録音もよいですから、この作曲家への入門用として最適ですし、またあらゆる名盤を聴きつつも、最後に戻ってきてしまうような、すぐれた内容を持った演奏だといえそうです。
価格も安いですから、絶対のオススメです。

なお、併録されている室内交響楽も、とてもディープな名曲です。
私はこれを実演で聴いていますが、うちのめされる度合いでは、第5交響曲の比ではありません。
覚悟して聴いてください。

(録音 1979年)

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1 演奏 ★★★★☆
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★★★
4 買得 ★★★★
5 必須 ★★★★


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ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 ワイセンベルク(P)カラヤン指揮ベルリンフィル、パリ管弦楽団


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ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、『のだめカンタービレ』でも登場して(シュトレーゼマンと千秋が共演する曲です)、かつてないほど人気が出ている作品ですよね。
私にとっても特別な作品で、ラフマニノフの音楽に熱中してゆくきっかけになったものです。
当時つきあっていた恋人からこの曲のCDをもらい(今でもとってある)、聴いていくうちに、自分のなかにある感情の波と、ラフマニノフの音楽の振幅が、ぴったり重なり合うのに気づいてゆきました。
ですからラフマニノフに関しては、その作品のすべてを自分のもののように大切に思っているのですが、やはりこの曲は、その中でもスペシャルです。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、憂愁と、美と、追憶の音楽です。
ここで聴く、ワイセンベルクのピアノのクリアで深いことといったら、最初の一音から、心を鷲掴みにされるようです。
絶好調時のカラヤンが、ベルリンフィルを振って、強烈な伴奏をつけていますが、それに一歩も引くことなく存在感を示しているのは、ワイセンベルクならではのすごさです。
ラフマニノフの協奏曲は、力のない弾き手ですと、ピアノがオーケストラに埋没してしまうことも多いですが、その意味でワイセンベルクほど、強力に、クリアなピアノを弾ける名手はいないのではないでしょうか?
最近出ました、ツィマーマンと小澤による録音など、ピアノを際立たせるためにオーケストラをオフ気味に録音するといったことがされており、ツィマーマンほどの名匠でも、この曲では伴奏にうちかつために苦しむのが窺えるようです。

ワイセンベルクのピアノは、たとえようもなく美しいです。
美しいだけでなく、とてもクリアで、異様なほどに力強いのです。
カラヤンが指揮しているベルリンフィルの伴奏は、この曲の録音史に例がないような強烈なフォルティッシモを聴かせていますが、先の見通せない吹雪からひとすじの強い光が射すように、ワイセンベルクのピアノがはっきりと伴奏をかきわけて聴き手に迫ってきます。

第一楽章の終結部分の背筋が凍るような追い込みは、ほかの録音では決して見られません。カラヤンとワイセンベルクの一騎打ちともいえる技の競いあいです。
第二楽章の夢のようなアダージョは、この曲の叙情をすみずみまで照らしだして、しかもきわめてデリケートに演奏されています。
最終楽章は、もはやこの世のものではない美しさ。
大空を飛翔するかのようにピアノがきらめき、オーケストラは光の奔流のように音楽をふりそそがせています。
雲を縫って、蒼穹に登っていくように、天の階段を駆けあがり、跳躍する音楽を、はっきりと聴けます。
(それは10:00〜10:25の部分です)
この曲を聴きながら、余事を考えることなんてできません。
たたただ、とてつもなく大きな波に、身も心もさらわれ続けて、さいごまで全身全霊で聴きとおすほかありません。
音楽がこんなにも、録音がこんなにも、人の心を揺り動かせるのか、と聴き終えてから何度も思いました。

恐ろしい音楽です。

この録音は、私を何度も感動させてくれ続けています。
きっと、これからもそうあり続けてくれるでしょう。
私にとって、大切な、一枚です。
今日は私にとって特別な日ですので、この名盤を紹介させてもらいます。


なお、併録されているチャイコフスキーですが、こちらも普通の意味で名演といえます。
この曲をはじめて聴く方にはオススメできる演奏であり、ワイセンベルクの良さもよく出ていますから、ぜひ聴いて欲しいのですが、惜しむらくはパリの録音が良くないですね(ラフマニノフと比較して)。
チャイコフスキーに関しては、また別のCDをいずれ紹介したいと思います。

(録音 1971-72年)

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1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★☆
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★★★
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ドヴォルザーク 交響曲第8番、第9番『新世界より』 クーベリック指揮ベルリンフィル


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屈指の人気交響曲であるドヴォルザークの第9番『新世界より』と、内容的にはそれを上回るとも思える第8番をおさめたCDです。

指揮者はチェコの名匠ラファエル・クーベリック。
祖国チェコ(当時、チェコスロヴァキア)の共産化に反発し、西側へ亡命して、旺盛な音楽活動を繰り広げました。
この名指揮者の活躍の舞台は、アメリカのシカゴ交響楽団、英国のコヴェント・ガーデン王立歌劇場、ドイツ・ミュンヘンのバイエルン放送交響楽団などですが、とくにバイエルン放送響とは、稀有の名演を披露し、国際的にトップ・キャリアといえる活躍をしたものでした。
いかにもチェコ出身の人らしく、ドヴォルザークやマーラーを大の得意としながら、ベートーヴェン、ブラームス、モーツァルト等にも類まれな手腕を発揮して、音楽愛好家にとって、たとえばカラヤンやバーンスタインと比較すればやや目立たない存在ながら、その音楽性では、決して劣らないどころか、ときには彼らスター指揮者を凌駕するような名演を実現していました。
彼自身作曲家でもあり、また父は当時のトップ・ヴァイオリニストだったヤン・クーベリックでもあり、いかにも中欧の貴族的な趣味のよさと、穏当な中にも鉄の炎のような情熱を感じさせる、りりしい指揮ぶりは、今なおファンを増やし続けています。

クーベリックは1966年から1972年にかけて、祖国チェコの作曲家、ドボルザークの交響曲全集を、ベルリンフィルと録音したのですが、これはそのなかから、代表的な二曲をとったものです。

有名な『新世界から』は、ニューヨーク・ナショナル音楽院の音楽院院長職に就任し、異国の地で、祖国チェコ(ボヘミア)を思う心情が反映された名曲といわれております。
たとえば有名な、第二楽章ラルゴ(『家路』の名前で日本でも良く知られています)の郷愁を感じさせる旋律は、彼のホームシックの強いあらわれだといいます。
そうしたいわば、メランコラリックなセクションを、クーベリックは、彼らしい繊細かつ清潔な手つきで扱っており、曲本来の持っている叙情を、いささかも損なうことなく、まことに美しい音楽としていることには驚嘆させられます。たおやかな旋律は、必要以上の強調をされず、とても清新でありつつ、心の奥深くに届くような感動的なものです。
ひるがえって悲劇的様相を持っている第一、第四楽章は、凡庸な指揮者ならば煽り立てすぎたうえで、音楽を暴力的にしてしまうところですが(実際そうした演奏が、いかに多いことでしょうか)、ここでのクーベリックは、節度を持ちつつもしなやかで強靭な音楽としており、ここぞというときの爆発力も、超一流オーケストラと指揮者の底力を存分に発揮していて素晴らしいものです。
ヒステリックになってしまいがちな第四楽章も、見事な均整を保ち、楽器のパートをどれひとつとして突出させることなく音楽を進行させています。
そう書くとまるでクールな演奏に思えますが、実際にはこれほど【熱い】音楽もそうなく、まさにクーベリックの、彼自身が故郷を思う心と、ドヴォルザークのそれとが一体となって、聴き手に迫ってくるようで、涙を禁じえません。
華やかな音楽書法で書かれたこの曲を、まるでオーケストラのショウ・ピースのように演奏する指揮者があとを絶たない中、クーベリックがこの曲に託している共感は、次元の違う素晴らしさだと思えるほどです。

第8番はもっともボヘミア的な内容を持つといわれる名曲です。
にぎやかな朝を思わせる第一楽章(にぎやかな音もさることながら、消え入るような弱音の美しさは、さすがクーベリックです)、草原に寝転んで見た、雲のきれはしにのぞく青空のはかなさを音にしたような第二楽章。
第9番のラルゴに匹敵する、印象的なメロディを持った第三楽章は、けっして女々しくならず、あくまで清潔で伸びやかな歌心で奏され、いさぎよいテンポで歌いきられている様子は、かえって曲本来の魅力を浮き彫りにしているようです。
私がとても愛している第四楽章は、どんな大河小説のあとに聴こうか迷ってしまうような音楽で、すべての良い時代と幸不幸の出来事をふりかえりつつ、陳腐な言い方ですが走馬灯のようによぎってゆく様子が、つよい印象を胸に残します。

第8番は第9番以上の名作だと私は思うのですが、それもクーベリックの演奏あってのことといえるかもしれません。
この名指揮者らしいとてもなめらかな音の移行、郷里の作曲家の傑作を完全に再現しようという意思、どんな激しいフレーズでもけっして下品にならない、ほとんど奇跡的なバランス感覚は、やや聴き慣れてしまった感のあるこれらの傑作を、いまでも新鮮な感動とともに聴かせてくれるほとんど唯一の録音なのです。
結論めいたことを書きますと、アナログ最盛期の録音の素晴らしさもあって、これらの傑作交響曲の究極の名演といえると思います。

(録音 1966、1972年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★★★
4 買得 ★★★★
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モーツァルト 交響曲選集 バーンスタイン指揮ウィーンフィル


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モーツァルトの交響曲はとにかく数が多い。
CD的には、いわゆる後期交響曲だけでも35-41番まであります(37番は欠番)。
また、人気もあるためでしょうか、名盤も多いです。古くはベーム、クリップスから始まり、カラヤン、Cデイヴィス、クーベリック。
それだけにお勧めする盤を選ぶのが難しい曲たちでもあります。
そのなかでここでは、名演・名録音・お買い得という当サイトのポリシーからw、バーンスタイン盤を選びます。

マーラーの伝道師というイメージが強いバーンスタインですが、実際には彼のレパートリーはとても広く、ロマン派はもちろん、古典派にも素晴らしい演奏を披露していました。
シューベルトやハイドン、そしてこのモーツァルトです。

バーンスタインは粘着質で、思い入れたっぷりの自己没入型指揮者といわれています。
それは彼のホットな指揮ぶりを考えてみても、決して間違ってはいないのですが、古典派を指揮するバーンスタインは、驚くほど抑制の効いた、しかも生命力と音楽の愉悦に充ちた演奏を常にしていて、一方的なイメージで彼に接していた聴き手がもしいたら、驚かされるに違いありません。
楽譜を、というか、大作曲家が書いた音楽を、とても大切に演奏しているのです。

ここでのモーツァルトも、古典派を指揮するバーンスタインの美質が、とてもよく現れた演奏になっています。
音楽を奏でる喜びを、これほど感じさせる演奏はそうありません。
ウィーンフィルの豊麗な、ふくよかで艶やかな音が、最大限に良さを発揮しています。
水を得た魚のようで、聞いているこちらまでウキウキさせてくれるようです。
古典派はこうでなくては〜!!

このセットは、3枚組で、前記35-41番だけでなく、25、29番も収められています。
この2曲も大変な名演ですから、得をした気分にもなりますw
特に29番は、この作品の理想的な演奏として、長く残るものではないでしょうか。
25番は40番と並び、数少ないモーツァルトの短調作品です。
映画『アマデウス』で冒頭部分に印象的に流れていたので、覚えておられる方も多いのではないでしょうか。

ほか、36番『リンツ』の華麗にして密度の凝縮された名演、罪に追われるような40番のほのぐらい足取り、天界の巨峰を思わせる41番『ジュピター』の崇高さなど、聴きどころがたくさんあります。

バーンスタインは現代を代表するようなところさえある天才でした。
作曲家としても傑作を残し、指揮、教育、啓蒙活動にも多大な功績を残しています。
彼を評して『どのような職業についたとしても、世界的な成功を収め得た天才である』とした言葉もあるほどです。
一方で私生活ではややスキャンダラスな一面もあったところなど、ほのかにモーツアルトを思わせます。
こう考えてゆくと、バーンスタインこそ、かつての大作曲家たちの末裔であると思えてなりません。

録音も万全です。
DGの初期のデジタル録音にはひどいものもありますが、こちらは成功の部類。
全体にウィーン録音は良いものが多いのではないでしょうか? これは覚えておいて良いことだと思います。

モーツァルトの交響曲第39番は宮本輝の小説『錦繍』にたびたび現れます。
以下引用です。

「生きていることと、死んでいることとは、もしかしたら同じことかも知れへん。そんな宇宙の不思議なからくりを、モーツァルトの音楽は奏でているのだ。」

興味のある方はぜひお読みください。

(録音 1984-88年)

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1 演奏 ★★★★
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★★
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↑モーツァルトを愛する方にぜひ読んで欲しいです

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シューベルト 交響曲8番『未完成』&9番『グレイト』 ヴァント指揮ベルリンフィル


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シューベルトの交響曲も、ブラームスやシベリウスと違う意味でですが、名演が生まれにくい音楽です。
カップリングで一枚にされることの多い2曲ですが、両方とも名演、ということは、よほど珍しいことといえます。
デリケートなのに、大胆に演奏しなければ表現しきれないという難物で、実演ではがっかりすることも多い作品たちです。

ギュンター・ヴァントは驚くべき老巧の人でした。
若い頃は硬さや鋭さが耳についた彼の指揮が、年輪を重ねてゆくほどに風格と安定感を増して、とくに最晩年にはベルリンフィルに客演し、大変な名演を何度も披露しました。
これはそうしたベルリンへのライブを、初めてCDにした録音で、1995年のものです。

ヴァントは第8番『未完成』で、地の底からの響きを聴くような音楽を、恐るべき集中力でつくりあげていて圧倒されます。
定評あるベルリンフィルの低弦楽器を活かし、一人で聴いていると引きずり込まれてゆきそうなほど、重い引力を持った音楽にしています。
そうでありながらきわめて、この世のものではないほど美しく、その美の世界は、夢幻の園でたゆたうシューベルトの魂を見るかのようですらあります。

また、さらなる難物の第9番『グレート』では、超一流の構築力を持ったヴァントならではの引き締まった名演です。
この曲を評してシューマンがいった「天国的な長さ」という言葉を、聴きながら飽きさせずに実感させる稀有な演奏です。
シューマンのいう「天国的な長さ」は、冗長な指揮者の手にかかると、ひどく退屈で聴きとおすことが難しいような音楽に堕しがちでもありますが、ヴァントに限ってはそのような危惧とは無縁といえます。

80歳を超えた老指揮者にして、青年シューベルトの作品をようやく十全に表現しうるということの奇跡を感じます。
彼の交響曲創作は、ようやく最後の2曲で本領を発揮しつつあるところでした。
その意味でシューベルトは、モーツァルト以上に、その早世を惜しまなければならない作曲家のように、思えてなりません。

録音はRCAの傑作。この盤に限らずヴァントの晩年の録音に関して、RCAは万全の水準で臨んでいるようです。
チェロ、コントラバスの響きは、この演奏・録音を待って、はじめて真にシューベルトの意図を再現したようにすら思えます。

価格はいっけん高く思えますが、実は二枚組みです。
一曲ずつ一枚のCDに収まっていて、その意味でも価値のある録音です。

(録音 1995年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★☆
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★☆
5 必須 ★★★


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オーディオ メインシステム

自宅のメインシステム(1st)です。
ほかに、書斎用のシステム(2nd)、会社の自分の部屋用のシステム(3rd)があります。

・スピーカー QUAD 11L2
・CDプレーヤー Accuphase DP-57
・プリメインアンプ LUXMAN L-580
・FMチューナー Accuphase T-107
・AUDIOラック HAMILEX V-6606
・SPスタンド TAOC HST-60H

オーディオスペースはフローリングです。
部屋自体は和室です。
この組み合わせがいちばん理想的だと、よくメールでやり取りしている某オーディオメーカーの代表の方に教えていただきました。

・スピーカースタンドはTAOCのHST-60Hです。
これ重いですね! 30KGくらいある気がします。
支柱の角度で音の傾向を変えられます。
とっても安定していてうれしいです。

・スピーカーはQUAD 11L2ですね。
ここ数年でずいぶん変わりました。
YAMAHAはNS-1000M、200M 500M 500Ma 100M、B&WのCM1 805S、タンノイのプレステージも使いましたね。
ほか、VictorのSX-500dolceとか、KENWOODのLS-300G(今は会社で使用)、LS-990HG、BOSE 121、ダイヤのDS-251MK2とか。
DENON SC-E757(これも鏡面ピアノブラックでした)、Technics SB-M300も使いました。
JBL CONTROLシリーズも1、3、5と使いました(これは6.1chにしていたのでした)。
QUADは11Lも使いましたが腰高すぎてすぐ手放し、新型の11L2に変えてみました。
これがとってもシルキーで美音。低域から高域までバランスよく、いつ聴いてもうっとりします。
アンプとの相性もばっちりですよ。

・CDプレーヤーはAccuphase DP-57。
これまで、SONYの DP-XA7ES、SONY SCD-XA1200ES、CDP-337ESD(会社で使用)、KENWOOD DP-1100SG、DENON DCD-3500G、DCD-1650AR、ONKYO C-1VLなんかを使ってきました。
DP-1100SGもいいプレーヤーでしたね〜。大好きでした。
でも、これらのプレーヤーと比較しても、やはり、DP-57は飛びぬけた音であると思います。
Accuphaseでは廉価といえる機体ですが、上級機と聴き較べて選びました。
ニュートラルで、いっさい狭雑物を感じさせない安定した音質は、文字通りアキュレートです。
操作性もよく、SONYメカを使用して作られた最後のCDプレーヤーということも、価値がある一台だと思います。
ちなみにTV or DVDの音声もDACで受けてアンプへアナログ信号として送り出しています。
そのおかげで、映像を見ているときの音のクオリティがとてもアップしました。

・アンプはLUXのL-580。
なんだかんだで戻ってしまいました、ラックス。
L-580ずっと探していました。550シリーズの最終機ですね。
L580は590より好ましい音だと感じるのは私だけでしょうか?
L-570との比較では、空間表現力がかなりアップしていて、ホールトーンや声の拡がりなどをかなり上手に表現します。
音の密度がとても高く、それでいて自然に聞かせてくれ、滑らかそのもので、ボディ色のように薄金色の音色がとても素晴らしいです。
素晴らしく柔らかでいながらボケていない音です。
スピーカー駆動力もとても高いです。でも、いまのよりいいスピーカーは繋ぎたくないですね。
ちゃんと駆動しているかが気になって仕方ないので(笑)。
いまのQUAD 11L2なら、おそらく本来の実力を発揮させているはずです。
B&W CM1も相性がよかったはず。
L-570でCM1を使用しましたが、あのクールなスピーカーにほんのりと色気を乗せるのはさすがでした。
きっと580ならさらによいでしょう。
アッテネーターはよく知られているようにとてもクオリティが高い。
回すこと自体がうれしくなるような機構です。
ですからリモコンがなくてもあまり不満に思わない副作用もあります(笑)。
パネルデザインもとても素敵で気に入ってます。
ここ数年では同じラックスのL-570、L-505s、YAMAHAのA-2000(これもよかった!)、DENON PMA-680R、KENWOOD KA-990EX(会社で使用)、SONY TA-F555ESL、PIONEER A-UK3、PanasonicのSA-XR55も使いました。
私の場合、セパレートとはいまだに縁がないです。
シンプル&使いやすい&省スペースがテーマのひとつになっていますから、今後も縁がないかもしれません。

*いまL-580はラックスにてOH中です。音がよくなって戻ってくるのが楽しみです。それまではL-570で聴いてます。

・FMチューナーはAccuphase T-107です。
3素子のFMアンテナを立てていまして、感度は良好です。
音質はAccuphaseらしくハイクリアなものです。
これ以前に使っていたKENWOODのKT-1100D、SONY ST-S333ESX MK2もとてもよかったですが、それらと較べてもクラスがひとつ上の音作りのように思います。

……こんな感じのシステムです。
たぶんマニアの方から見たら、子供だましみたいなものかもしれませんが、私自身はとても完成度の高いシステムになったと思っています。
自己満足が大切ですね(笑)。

・シンプル&使いやすい&省スペース
・シルキーで滑らかな、聴き疲れしない美音

というふたつのテーマを、充分満足させてくれています。
上に名前が出ている機体で、感想をお聞きになりたい方がいれば、いつでもお答えします。
いまは使ってなくても、忘れられない名機がたくさんありました。

いろいろ装置交換してきましたが、物欲も薄れてきて、これで安心して音楽に浸れます。


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マーラー 交響曲全集 テンシュテット指揮ロンドンフィル(スタジオ録音)


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マーラーの音楽は、現代を先取りしていたかのようです。
彼は生前、作曲家として必ずしも成功したわけではなかったのですが、いまやその人気は、クラシック音楽界では飛びぬけているともいえます。
それはマーラーの音楽が持っている、退廃・都会生活の荒廃・世紀末的様相・美しいものへの惑溺などが、われわれ現代人の問題意識や病態と、ちょっと信じられないほどマッチしたからだとも思います。
『いつか私の時代が来る』と言葉を残したマーラーは、まさにいま、時代の寵児となっているわけです。
また、録音技術・再生技術の進歩で、もともとオーディオ的な魅力に充ちていた彼の作品が、よりクローズアップされてきた側面も無視できません。

クラウス・テンシュテットは、不思議な指揮者です。
東独からの亡命によって、国際的なキャリアをスタートさせた彼は、演奏の素晴らしさで、瞬く間にスターダムを駆け上がってゆきます。
北ドイツ放送響からロンドンフィルの音楽監督へ。
そこで彼は、楽団員から絶大な支持を受け、ロンドンはクレンペラー以来の偉大な指揮者の登場に沸きました。
それでいながら、一期一会の言葉どおり、演奏会には文字通り命をかけるように取り組み、楽屋に戻ってくると、半死半生の様子になっていたともいいます。

『数年前まで、東独の田舎の指揮者でしかなかった私が、いまや世界中で知られ、客演を求められているのは、本当のことなのだろうか。自分のこととして信じられない』
そう述べたともいわれ、いわゆる巨匠的なルーティン・ワークに決して陥ることなく、きわめて燃焼度の高い演奏を常におこなってきた指揮者でした。

まことに残念なことに、テンシュテットはほどなく、病に倒れ(喉頭がん)、実質的な西側での活動期間は、20年にも満たなかったのでしたが、そのなかで唯一、まとまった録音として残されたのが、マーラーの交響曲全集でした。
テンシュテットはとりわけマーラーを得意としてい、また共感も深く、大変な情熱を燃やしていました。
彼の早世は残念きわまることではありましたが、その仕事がこうしていま、まとまって聴けることには感謝したいと思います。

第1番『巨人』などは、カラヤンがこの録音を聴いて感激し、たびたびベルリンフィルの指揮台に招くことになった記念碑的名演ですし、第2番『復活』は彫りの深い壮絶な演奏です。
ほかにも第5番、第6番、第7番、第8番、第9番、第10番は特に素晴らしく(ここに挙がっていない3番、4番も彼の素晴らしいマーラーです)、テンシュテットはマーラーの音楽に潜む不気味な胎動や、暗黒的な力、生への憧憬や、死への恐れなどを、えぐりにえぐって表現し尽くしています。
たとえアダージョであっても、そこには楽天的な歌ではなく、切ないまでの生への希求が音の奔流となって現れ出ているかのようで、背筋が寒くなるような畏怖とともに、別次元の感動をも禁じえません。

マーラーの交響曲全集はあまたありますが、そのもっともシリアス(深刻)な演奏といえ、ひとつの金字塔でもあると思います。
11枚組に収められ、ボックス化されたこのセットは、マーラーの交響曲を聴くうえで、欠かすことのできないアイテムです。
一生物の感動を、与えてくれるものといえますし、ほかの指揮者の演奏を聴いても、また戻ってきてしまうような、懐の深さをも併せ持っている名演といえそうです。
もうひとつの極限シリアス全集(ただしこちらは、積極的前進の精神を前提として持っているシリアスです)であるバーンスタイン盤もむろん素晴らしいですが、価格を考えた場合、数分の一の値段で買えるテンシュテット盤は絶対のお勧めです。
一枚あたりワンコインとは、この超名演に申し訳ないくらいです。

録音は、年代によって多少の差はありますが、満足できるレベルです。
優秀録音とまではいえませんが、大オーケストラの鑑賞をするのに、不足ないレベルといえそうです。
第1番『巨人』のフィナーレなど、とてつもない音の波がおそいかかってくるようです。

(録音 1977-86年)

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1 演奏 ★★★★★
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シベリウス 交響曲全集 マゼール指揮ウィーンフィル(1963-64年)


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私が最も愛している作曲家は、シベリウス、ブラームス、マーラーの三人ですが、なかでもシベリウスは特異な作曲家です。
交響曲を聴いていくうちで、避けては通れない作曲家でもありますが、私が特異だと思うのは、その音楽の受容のされ方です。
たとえばそれは、ブラームスのようでもないし、ベートーヴェンとも違う。ましてマーラーとは相容れないものですし、シューベルトを聴くときのようなゆき方とも違ってくる。

たいがいの聞き手は、どういうわけか、シベリウスの音楽に熱中する時期があり、その間、聞き手はシベリウス以外の音楽を聴かなくてもいいような感覚にとらわれるようです。
それだけのめりこんで、一日中シベリウスの音楽と過ごすようになると、もはや恋にも似ているといえそうです。

シベリウスの音楽のありかたとも、それは関係してきているように思われます。
フィンランドの自然を愛し、その厳しさ美しさを音に描きつづけたといわれるシベリウスは、人間のドラマを交響曲に仮託したようなブラームスの音楽とは、根底からまったく異なる性質のものです。

カラヤンは、シベリウスの音楽には、『人間がひとりもいない』と発言しました。
ある意味ではそのとおりで、通常の音楽に対する聴き方とは、まったく違うスタンスを、求められるのは間違いないです。
それがひいては、シベリウスの音楽の、ある種の難解さにつながっているともいえそうです。

さて、1960年代に、ウィーンフィルはレパートリー拡大プロジェクトを打ち出しました。
それは、ドイツ・オーストリア系の音楽に偏っていたプログラムを、より広範なものに前進させてゆこうという企みで、当時、新進指揮者として注目されていた鬼才マゼールがその一翼を担い、DECCAにチャイコフスキーとシベリウスの全集を録音しました。

チャイコフスキーも名盤といえるものですが、ここでの彼は、よりシベリウスに上手さを発揮しています。
前述のように、やや難解さもあるシベリウスの音楽を、ここまでエキサイティングに、魅力のわかりやすい形で音にしたのは、マゼールにして初めてできたようなことでした。

ウィーンフィルの美音と、太く力強い音を活かしきって、自信みなぎる音楽にしていますし、当時ソニック・ステージの名で、抜群のステレオ効果を売りにしていたDECCAのマルチマイク録音が、その演奏をあまさず捉えています。
これを異色の名演という人もいますが私は必ずしもそうは思いません。
いってみれば表現意欲が極限までみなぎっている正当の演奏であり、シベリウスをウィーンフィルで演奏することの意義も、意味も、よく理解していたであろうマゼールだからこそ可能な快演であったと感じられるのです。

ソニック・ステージもこの録音で抜群の効果を発揮し、第一番など、とてつもなく広壮な空間に、静かに音楽が鳴り響いてゆく様子が表現されています。
第二番の、個々の楽器をハッとするほど鮮やかにキャッチしている音もめざましく、オーディオファンならば、誰しも興味をかきたてられずにはいられないような名録音です。
これが1963年の録音とは、信じがたい思いです。
ここまで面白く聞かせてくれるのは、ある意味でフィクション的でもあるのでしょうが、レコードを聴く楽しみを、DECCAの録音スタッフがどう考えていたか、それがわかりとても興味深いですし、重要な足跡でもあるという気がします。

これだけの名演・名録音が、3枚組セットでこの価格というのは、とてつもないバーゲン・プライスという気がします。
シベリウスの交響曲をこの全集から聴きはじめる、というのは、決して間違った選択ではありません。

(録音 1963-64年)

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2 録音 ★★★★☆
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★★★
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チャイコフスキー 後期交響曲集(4-6番)、ロミオとジュリエット他 バーンスタイン指揮ニューヨークフィル他


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チャイコフスキーの音楽は、北国に住む人間に特有のリリシズムと、彼生来のロマンティシズムと、魅惑的なメロディの散乱が特徴です。

彼は魅力的な旋律を作らせたら、右に出る人がいないほどのメロディの名手でした。
チャイコフスキーのほか、ドヴォルザークやマーラーなどといった、スラブ系の作曲家は、皆根底にメロディ・旋律を重視して作曲を行っていたらしいことも、作品を聴くとよくわかります。

チャイコフスキーの交響曲でよく聴かれるのは、後期の三つ(4-6番)ですが、これを得意とした指揮者がやはりいて、たとえばカラヤンも何度か名演を残していますし、旧ソ連の神格化されたマエストロ、ムラヴィンスキーのあまりに有名な録音もあります。
ただ、カラヤンの1970年代の録音は、後述するように5番が二枚にまたがって収録されていますし(残念)、ムラヴィンスキーは録音が1960年とやや古いです。決して聴きづらい音ではありませんが、ファーストチョイスに薦めるにはややためらいます。

そんな事情もあって、これらのシンフォニーを、私はバーンスタインで聴くことを好みます。
レナード・バーンスタイン(愛称はレニー)はロシア系ユダヤ人で、いうまでもなく、アメリカで初めて誕生した大指揮者でした。

彼の激しすぎるほどのロマンティシズムの表出と、極限まで自己没入し、感情移入をおこなって、旋律を歌い尽くそうとする指揮ぶりは、ここで最高の結果を生んでいます。

かつて自分が率いたニューヨークフィルとの録音では、晩年に次々と傑作を残していますが、このチャイコフスキーも決して忘れられないものでした。
4番の激烈な情熱、(皮相になりがちな)5番の真に雄大勇壮な表現、感情のドラマをすべて音符に込めようとするかのような、振幅の巨大な6番『悲愴』。
ここで聴かれる『悲愴』のアダージョや、5番の第二楽章『アンダンテ・カンタービレ』を聴いてなにも感じない人は、音楽的不感症といわれてもやむをえないのではないか?と思うほどです。

どれもがかけがえのない名演ですし、バーンスタインという指揮者をよくあらわしているともいえます。
また、特筆すべきなのが『ロミオとジュリエット』序曲で、実は私がチャイコフスキー作品で最も愛しているこの小品を、バーンスタインほど濃厚でドラマティックに演奏した指揮者はいないでしょう。
彼にはイスラエルフィルとの録音もありますが、こちらは気合が空回りするような残念な出来栄えで、このセットに収録されているニューヨークフィルとの録音には及びもつきません。
賢明なことに、あえてニューヨーク録音が収録された意味でも良心的なセットであり、この価格なら大推薦できる内容をもっています。
また、多くの後期交響曲集が、二枚組として売られ(そのこと自体は、価格を抑える意味でいいのですが)、なかでも人気曲の5番が二枚にまたがって収録されていることがとても多いことを考えても、すべての曲が一枚ずつに収録されている本セットの価値は大きいです。

一枚あたり1000円にも満たないのですから、買い得度はかなりのものですよ。
さらに録音も、ニューヨークフィルをとったドイツグラモフォンの録音では、同じ指揮者のマーラー以上の状態で、個人的にはこのレーベルでも最高の録音のひとつ思います。
チャイコフスキーの音楽は、オーケストラのドラマティックな響き、壮大な響き、メロウな響きと、オーディオ・ファンにとっては満腹にさせてくれる要素をたっぷり持ってもいますので、その意味でも注目されてよいと思います。

(録音 1984-89年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★☆
2 録音 ★★★★☆
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★★☆
5 必須 ★★★☆


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ブラームス 交響曲全集 カラヤン指揮ベルリン・フィル(1977年)


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ブラームスの交響曲ほど、海のような奥深さを感じさせる音楽があるでしょうか?
夜、静かに一人で音楽を聴こうとするとき、ブラームスをいちばん求めてしまいます。

何度聴いても、自分がいかにこの音楽を浅薄に理解したつもりになっていたのか、を知らされます。
いつ聴いても、飽きることがなく、聴くほどによさをますます味わえるようになる、という点でも、ブラームスほどの作曲家は、私にとってはいません。

長く苦しい旅の、終わりを感じさせる第一番の素晴らしさ。
暖かい心と生命の健やかさを感じさせる、私が最も愛する第二番(ブラームスの『田園』とも呼ばれる)。
おそるべき旋律の美しさと、決然とした推進力を兼備した第三番。
すべての物語に、終幕の鐘を鳴らすかのような、言葉を失うほど美しい黄昏の音楽である、第四番。

カラヤンは、ベートーヴェンやチャイコフスキーも得意としていたが、ブラームスにもっとも体質的な相性のよさを感じさせる指揮者でした。
彼はドイツ・グラモフォン(DG)に三度、全集を録音していますが、この二度目の全集が白眉であり、最良の状態で録音されています。

ベルリンフィルの磨き抜かれた音は、ややメタリックに聞こえてしまうほど輝かしく、もはやヴィルトゥオーゾ(巨匠)の粋に達しているトップ奏者たちの名人芸もそこかしこに聴かれます。

テンポは完璧なバランスで設定され、気品ある美しさと劇性の絶妙なバランス(しかも、そのどちらもが最高に演出されています)を創り出し、ブラームスの音楽のすべての要素を、万全に表現して隙がないものです。

オーケストラの音色は、特にそのフィナーレでは、黄昏の黄金色のように照り映えて、匂うばかりに美しい音の洪水となっています。
カラヤンの指揮が、高貴な悲しみと強靭な意志とを、完全にブラームスの音符と同化して奏で、それをアナログ完成期の録音が、見事に捉えています。

ブラームスの交響曲全集はあまたありますが、全四曲をすべて高い次元で演奏しているものはほとんどありません。
また、柔と剛ともいえる、ブラームスの音楽の両方の特質を、双方ともに十全に表現できている演奏となると、砂丘からダイヤを探り出すような少なさです。

このなかで、柔(言い換えれば、歌)に傾いた名演の最右翼が、バルビローリ/ウィーンフィルと言え、剛に傾いた傑作が、ヴァント/北ドイツ放送響といってもよいかと思えます。

それらの名演ももちろん、捨てておくには惜しいものばかりです。
しかし、この全集に見るカラヤンの指揮と、ブラームスの音楽との同質性は、ほかでは見られないものです。

絶頂期にあったベルリンフィルの凄絶なまでの力演ともあいまって、この録音が神秘的ともいえるほどの完成度に達してるゆえんです。

また、特筆すべきことにこの盤は、二枚組に収められています。
OIBPによるリマスターも成功しているようで、たとえば第一番のフィナーレにおけるホルンのコラールは、空間性を意識させる響きをよく出していて、感動的な名演に華やかな彩りを添えています。

そのお買い得度も含めて、なにを措いても真っ先に聞かれるべき名セットといえるでしょう。

(録音 1977年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★★★
5 必須 ★★★★★


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マーラー 交響曲第9番 カラヤン指揮ベルリン・フィル(1982Live)


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カラヤンが晩年(1982)にライブ(たしかベルリン芸術週間)で録ったマーラーの第9。
この曲、私にとっては、特別の愛着があります。
ロマン派の終着点ともいえるし、マーラーの最高傑作で絶筆の作品でもある。
何十枚かこの曲のCDをもっているけど、そのなかでもカラヤンの82年盤はスペシャルな1枚です。

カラヤンはマーラーは、4番、5番、6番、9番(79年、82年)、大地の歌を録音していますが、粗い部分、的外れな音楽もあります。
このなかでは5番は悪くないですが、金管のミスが聴きぐるしい思いがします
(なぜカラヤンは修正しなかったのかな。彼の録音にはたまにある)。

ただ、この第9は違うのです。
ひょっとするとカラヤンのおびただしい録音のなかでも、白眉の一枚かもしれません。
実際、82年以降のカラヤンは、ベルリンフィルとの確執も表沙汰になり、精彩を欠いてきます。
いわば彼の音楽の最後の輝きとでもいうべき内容が、ここにはあるのです。

音楽の美しさは空前のものだし、ライブとは思えないくらい完璧な演奏です。
カラヤンの手にかかると、本来難解で複雑なこの大曲が、急に精緻で聞き手の心に届きやすくなります。
それを彼の芸術の大衆性と批判する方もいますが、むしろカラヤンの音楽の、普遍的な魅力ととらえたほうがわかりやすいのではないでしょうか?
しかも、そうでありながら彼の音楽は、おそるべき深淵をのぞかせるような局面も多々あるのです(それはほかの指揮者では感じられないような深淵でさえあります)。

でも私が魅力を感じるのは、この絶美の音楽の恐るべき無内容、個絶、異質さです。
カラヤンは『私はこの世ならぬ場所から音が聞こえてくる』といったことがある。
だとしたら、これは魔界からの音楽ではないでしょうか。
でなければ、美しすぎるがゆえに孤独を極めたような、このマーラーの生命の源が、理解できないのです。

このCDのブックレットには、
『カラヤンの神がかり的な指揮をもって、マーラーの最高傑作を演奏し、ベルリンフィルの正確無比、録音技術の進歩の結実――というトリニティが、この名盤を生んだ。これ以降、この演奏を聞かずして、マーラーの9番についてなにも語れない。マーラーはこのディスクの出現を予期してこの曲を書いたと思われるほどだ』
というような意味のことが書いてあったように思います(手元にディスクがないのでうろ覚えですが)。

まさに神意を感じさせる録音であり、演奏です。
この一枚の演奏だけでも、カラヤンの名前を不朽とするのに充分でしょう。

(録音 1982年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★☆
3 不朽 ★★★★★
4 買得 ★★
5 必須 ★★★★★


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ベートーヴェン 交響曲全集 カラヤン指揮ベルリン・フィル(1961-62年)


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ベートーヴェンの交響曲全集は、いったいどれほどの数があるのでしょう?
もしかすると100近いのではないかという気がします。
私が持っているだけでも数十種類あります。
そのなかで、まず第一にお勧めしたいのが、このセットです。

カラヤンがベルリン・フィルの音楽監督に就任したのは1954年。
それから数年後に、彼はほかの誰もやったことがないことに挑みます。

ベートーヴェンの交響曲全集を、すべての録音がそろった状態で、セットとして(!)売り出すのです。
当時はレコードの単価が高く、一曲ずつそろえてゆくような買い方があたりまえでした。
それにあえて挑むところに、カラヤンの自信のほどがうかがえます。
レコード会社は大変危惧したこの企画ですが、予想をはるかに上回る大当たりを見せて、大成功を収めます。

数年でベルリンフィルを完全に掌握した、カラヤンの指揮芸術の精華がこめられた演奏が録音されていたことが最大の原因でしょう。
それを、当時の水準では考えられないほどの良好なステレオ録音で残したグラモフォンのスタッフも賞賛されてしかるべきです。
いま聴いても、とても自然で暖かみ・輝きのある音で、ややもすると彼の70年代の全集の鋭い音や、80年代のぎすぎすした音よりもよいのでは?と思えるほどの好録音です。

カラヤンの指揮ぶりも、いい意味で若さを残した、意気軒昂なもので、とくに3、5、7、9といった奇数番号の作品は、彼の絶好調時の特徴でもある、前のめりのテンポが随所に見られ、異様なほどの熱気と完成度の高さをみせつけています。
サウンドと指揮の切れのよさ、オーケストラの抜群の充実があいまって、空前絶後とも言えるベートーヴェン全集になっています。
反面、後年の彼ほど、解釈に鋭さが生まれてきておらず、4、6、8などの偶数番号も、セクシーかつ豊かな雰囲気をもっていて、最高です。
最高の傑作はやはり9番でしょうが、ここではソプラノのヤノヴィッツの信じられないほど美しい名唱が聴けるのもポイントです。

最高のお勧め盤セットのひとつで、カラヤンの最高傑作のひとつでもあります。
ベートーヴェンの交響曲全集は、これを聴きこんでから、次のチョイスに移ってもいいと思います。
最初に聴いても鮮烈ですし、ほかのセットを聴いてから戻っても、凄さを再確認させられるセットです。

CDでは、リンク先にあるOIBPリマスター盤が、もっともナチュラルにサウンドをよみがえらせていて、好印象であると思えます。
現代の録音にはなくなってしまった【音の力強さ】を感じます。
カラヤンのジャケット写真もいちばんカッコイイかと。後悔しない為にもこちらをおススメします。

(録音 1961-62年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★☆
3 不朽 ★★★★★
4 買得 ★★★★
5 必須 ★★★★★


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マーラー 交響曲第9番 ハイティンク指揮 コンセルトヘボウ管(+子供の不思議な角笛)


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マーラーの9番は名曲中の名曲です。
数ある第九の中でも、特異な存在感を持っているといってよいと思うが、名盤も多い。
バルビローリの高貴な腐敗のような演奏、魔界からの音が聞こえるようなカラヤンのライヴ録音、感情と理性の異様な混濁を音にし尽くしたバーンスタインの録音、古城の夕映えにも似た黄金色に輝くクーベリックの音楽。

そのなかでハイティンク盤は、やや地