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ワーグナー 管弦楽曲集(ニーベルングの指輪 ハイライトも含む) テンシュテット指揮ベルリン・フィル


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カラヤンの信任を受けたテンシュテットは、ベルリンフィルを指揮していくつかのアルバムを作りました。
そのなかでも、ここに挙げるワーグナーのアルバムは白眉のものです。

本来ワーグナーは、カラヤンがもっとも得意とするレパートリーのひとつであり、ベルリンフィルとも、1974年ごろに、管弦楽曲集を完成させています。
それなのに、テンシュテットにこの録音を許したこと自体が、カラヤンがこの指揮者にかけていた信頼をうかがわせるのに充分です。

ディスク1は『ニーベルングの指輪』ハイライト盤です。
演奏時間にして16時間、四夜を要する超大曲の、聴き所のオーケストラ曲を集成したものですが、これが素晴らしく雄渾な演奏で、ヒロイックな盛り上がりは最高のものです。
特に4曲目、『ヴァルハラ城への神々の入城』では、ベルリンフィルのティンパニが爆裂していて(テーリヒェン?)、オーディオ的にも最高の興奮が味わえます。
3曲目の『ジークフリートの葬送行進曲』では、勇壮でたくましい音楽が作られており、その歩みの力強さは比類がありません。

ディスク2は『リング』以外のオペラの前奏曲・序曲・間奏曲集です。
『タンホイザー』序曲の格調高くすみきった表現が素晴らしく、名演中の名演です。
また、なかなか録音に恵まれない、『リエンツィ』も、まるで実演さながらのホットさを感じさせる出来栄えで、おそらく同曲のクレンペラー以来の佳演という思いが致します。
『ローエングリン』第一幕への前奏曲は、精妙な音楽は聴き手を陶然とさせるのに充分ですし、第三幕への前奏曲では、たとえばベームなどには望みえない、若々しい雄叫びにも似た音楽に圧倒されてしまいます。
『マイスタージンガー』は私をもっとも感動させる音楽のひとつですが、テンシュテットの指揮は、いかにもワーグナー演奏の奥義を知り尽くしている感があり、聴き込んでゆくうちに熱狂の渦に巻き込まれてしまうような印象があり、まったく見事です。

録音はEMIらしい豊かにブレンドされた響きが味わえ、いまもって最高です。
BPOの凄さを余すところなくとらえ、すさまじい演奏だと実感させます。
最新録音でもこのレベルに達しているものはほとんどないのでは?

テンシュテットがワーグナーの全曲盤を残していないことがいかにも心残りではありますが、このアルバムはそうした空隙を埋めてくれるのに充分です。
ワーグナーといえば、大オーケストラを聴く楽しみの最右翼として、マーラー、ブルックナーと並ぶ存在でしょう。
その音楽の魅力を、ここまで明らかにした当アルバムの内容は、文句のつけようがないほどですし、個人的にはカラヤンが1974年に録音したアルバムと匹敵する唯一のものと思います(そして録音のよさでは当アルバムがずっと上です)。
また、カラヤンが入れていない『ニーベルングの指輪』ハイライト盤も楽しめますから、この価格では、お得すぎるほどです。
テンシュテットの指揮の精華と、ベルリンフィルの技術が一体となった名演奏を、ぜひ多くの方にお聴きいただきたく思います。

(録音 1980-83年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★☆
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★★★
5 必須 ★★★★★


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