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クラシック音楽CDから、不朽の名盤(&廉価盤)にふさわしいものを点数付で紹介してゆくブログです。初心者の方も歓迎です。新潟でのコンサートレビューもあります

ベートーヴェン ピアノソナタ第28番『ドロテア・セシリア』&第29番『ハンマークラヴィーア』 ギレリス(P)


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ベートーヴェンのピアノソナタには名演の系譜があります。
いわゆる独奥系のピアニストを中心とした連綿たる流れですが、たとえばこれが、フィッシャー、バックハウス、ケンプ、グルダ、アラウ(南米)と来て、20世紀の後半にはギレリス(ソ連)の円熟期を迎えました。
ここに聴く2曲は、早世によって完成間近で未完に終わった、ギレリスのベートーヴェン・ピアノソナタ全集から、もっとも濃いエキスを搾ったものといえます。

『月光』や『熱情』といった表題つきの曲ばかりが話題として先行しがちなベートーヴェンのピアノソナタですが、真に偉大なのは28番以降の最晩年の作だと思います。
その中でも28番と29番は、まさに好対照とも言えるコントラストの差を見せてすこぶる印象的ですし、当アルバムの意図もそこにありそうです。

ソ連から西側に衝撃的にデビューした当時、【鋼鉄のピアニスト】なる異名を奉られたギレリスの、ある意味ではハードボイルドなイメージに、もっともそぐわないのが、28番でしょう。
ベートーヴェンの音楽の真髄は、その無限の優しさ、慈愛の心にあると、私などは思うのですが、それを正しいとすると、このピアノソナタこそ、そうしたベートーヴェンの深奥を、もっともよく現した作品だといえます。
だからこそ【鋼鉄のピアニスト】たるギレリスとは、アンマッチな思いがするのですが、実際にここで聴く彼のピアノは、彼本来の厳しさと慈しみが極上の調和を見せている音楽なのです。
あいまいさや弱さは微塵も感じられないのに、すべてのフレーズはことごとくみずみずしい潤いに彩られ、味わいの深さはたとえようもありません。

ひるがえって29番の『ハンマークラヴィーア』は、ベートーヴェンに限らず、すべてのピアノソナタの歴史を紐解いてみても特別の地位を占める傑作であり、飛びぬけた大曲です。
これはギレリス最晩年の演奏なのですが、聴くほどに感銘を受ける、まさにベートーヴェンの奥義を極めた音楽家の手になる演奏で、知情意がパーフェクトなバランスを保って音楽に現れています。
きわめて高度のテクニックが、見せかけの効果やひけらかしには目もくれず、ベートーヴェンの音楽の偉大さにのみ奉仕することの意味を、我々に教えてくれるのです。
ここではギレリスの、飛びぬけてすぐれた技量が、大曲のそこかしこで、ベートーヴェンの意志の強靭さを際立たせる効果をあげています。
それがきわめて印象的で、あるいはこの録音こそ、偉大なピアニストが最晩年に到達しえた孤高の境地を端的に示すものかもしれません。
いうまでもなく、『ハンマークラヴィーア』は凡庸な弾き手には、音楽的な演奏をすることすら困難な難曲でありますが、ギレリスの超人的ともいえる(しかもストイックに抑制された)ピアニスティックな冴えは、むしろこの曲を、愉悦に充ちた表情で弾ききっています。
たとえば、瞑想的な美しさのアダージョのすばらしさは、筆舌に尽くしがたいものですし、深遠なラルゴは聴くものを深い沈黙と感銘にいざないます。

録音は、11年の年代の差を感じないほど自然なプレゼンスで、時代が変わろうとも一貫して揺るぎない、グラモフォンのポリシーを見る思いがします。

疑いなく偉大なピアニストであったギレリスの遺功を偲ぶものとして、またベートーヴェンのピアノソナタの演奏史上においても特筆すべき成果として、本アルバムを強力に推薦します。
898円というバーゲン・プライス中ですから、迷わずお買い求め下さい。

(録音 1972、1983年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★☆
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★★
4 買得 ★★★★★
5 必須 ★★★★


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ベートーヴェン | コメント:2 | トラックバック:0 |

ベートーヴェン 交響曲第5番、第7番 カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィル


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カラヤン祭のログでも何度か触れましたが、稀代のカリスマ指揮者カルロス・クライバーが、ベートーヴェンの交響曲で何度か名演を残しています。
それらはいずれも、好楽家にはたいへんな名盤として親しまれてきたものですし、じっさい、演奏内容の充実も、この指揮者ならではの凄みを感じさせるものです。
その絶大な人気に比して、わずかな(といってもいいでしょう)録音をしか残さなかったクライバーですが、ベートーヴェンに関しては比較的恵まれており、彼の生前より、4、5、7番の正規録音がリリースされていました。
このうち5番と7番を収めたのが、このディスクです(4番はライヴ録音であり、レーベルも違います)。
絶対の自信を持つ曲だけを録音したといわれるクライバーですから、ここでも超絶的な名演の記録となっているのは、いまさら私が説明するまでもないかもしれません。

第5番は元来、きわめて論理的でもありながら、反面、激情の塊のような音楽でもあります。
その解釈を、爆発的な音楽的跳躍と、ゴムマリのような弾性で表現し尽くしたのが、ここでのクライバーの演奏といえそうです。
どんなに些細なフレーズも疎かにしていないのに、聴きながら受ける印象はまさに疾風怒濤としかいえないのは、クライバーが生得している音楽性の豊かさならではといえるでしょう。
たとえば第四楽章の歓喜の音楽など、フルトヴェングラー以来の感動的な歌となっていると思えますし、その生々しい存在感は無類のものがあります。
この指揮者が持っている音楽的エネルギーの巨大さに圧倒される思いがするほどで、少なくともステレオ録音における、同曲の録音・演奏として最右翼の1枚であろうことは、疑う余地がありません。
こんな演奏から、クラシックを聴き始めてもらいたいと思いますし、何度聴きこんでも新鮮さを失わない、この作曲家と指揮者の無限の生命力には、畏怖の念すら感じるほどです。

併録された第7番も、未来永劫に渡って光を失わないと思わせる名演です。
ドラマ版『のだめカンタービレ』で、ガーシュウィンとともにメイン曲として使われ、一躍知られるようになった作品ですが、もとよりクラシック音楽愛好家には絶大な人気がありました。
種々の人気投票で、ブラームスの1番などと接戦を繰り広げたことが、人気を裏打ちしています。
後世の作曲家たちにも多大な影響を与えた作品で、ワーグナーがいみじくも【舞踏の神化】と呼んだ如く、全体を強靭なリズムが支配する異色の名曲です。
この作品から生じた影響が、たとえばロックンロールなどへも波及したといわれており、躍動感の塊のような音楽であって、まさにクライバーの踊るような指揮にふさわしいです。
特に第一楽章の4:20〜の部分で、有名な旋律を、うちふるえるような手つきで扱っているのが印象的です。
すばらしく透明な美しさを持ったアダージョも、決してムード的な音楽にしてしまわず、剛毅な一筆書きともいえる推進力を見せて描ききっていますし、それでいて音楽はすこしも柔軟性を失いません。
第3〜第4楽章は、踊りながら指揮するクライバーが見えるような名演で、とくに最終楽章は狂騒的とすらいえる一気呵成の芸術として完成させています。
実際のタイムはカラヤンのほうが速いにも関わらず、こちらをよりすさまじい勢いに感じるのも、クライバーの指揮の精髄といえそうです。
ここまですさまじい第7番は、卓絶した力を持っていたクライバーにしても会心の出来ばえであったことでしょう。
ウィーンフィルをここまで真剣にさせているのも、クライバーのカリスマという思いがします。

録音はアナログ完成期の素晴らしいレベルの高さで、デジタル時代になってから失われがちな、音楽の勢いを、ダイレクトにキャッチしている印象があって見事です。
価格もきわめて廉価(898円?!)ですから、これらの名曲の最高の名演として、強力に推薦したく思います。

(録音 1974、76年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★★★
4 買得 ★★★★★
5 必須 ★★★★★


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ベートーヴェン 交響曲第9番『合唱付き』 カラヤン指揮ベルリン・フィル【カラヤン祭6】


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カラヤン祭、最終回です。

カラヤンはベートーヴェンの交響曲のなかでも、3番『英雄』と9番『合唱』を得意としていました。
大編成の作品を好んで採りあげたカラヤンらしいことでもありますが、この全集中でも同様のことが言え、3番と9番は白眉の演奏となっています。
それにしても、ここでの演奏の充実度は、9番を得意としていたカラヤンにしても驚くべきもので、冒頭から痛いほどの緊張感に支配された迫真の音楽が展開されます。
一点に向かって、集中し、限りなく感情を凝縮てゆくような、とても厳しい音楽。
第二楽章にしても、やや余裕を持って運ばれていた1977年の録音とは違い、まさに鬼気迫る熱演となっており、尋常ではない様子に息を呑みます。
テンポの設定は、アンサンブルの精度を考えると、限界ぎりぎりまで速められているのがわかりますし、自分自身をすら追いこんでゆくような表現には、カラヤンの、老いとの戦いのようなものさえ感じさせ、背筋を寒くするほどです。
ベートーヴェンの作品中でも、もっとも敬虔な感情によって編まれている第三楽章のアダージョは、当時75歳を数えていたカラヤンの祈るような指揮によって、崇高といえるほど美しく高められています。
最終楽章は、ベルリンフィルのチェロ・コントラバス軍団が大活躍します。
まさにこのオーケストラで、しかもカラヤン時代でなければ実現しなかったであろうサウンドで、究極のシンフォニー、交響曲の奥義ともいえる作品の姿が明らかにされてゆくのには、感謝の思いすらしてきます。
あるいはこれは、カラヤンにとっても、音楽への感謝を歌いあげたものだったのかもしれません。
その一方で、第九の『合唱』は、人類全体に、大いなる精神的融和の可能性を示す、まさに空前絶後といえるメッセージを持った作品でもあります。
1987年のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートで、カラヤンは
『平和を、平和を・・・・・・』
と語りました。
思えば二度の大戦や、その後に続く平和とはいえない時代を、その尊厳をみずから汚し、また傷つけられながら生き抜いてきたカラヤンならではの、万感の念に充ちた言葉だったことは、うたがう余地がありません。
ここでの、ベートーヴェン交響曲第9番『合唱付き』が、感動的な音楽となっているのも、不思議なことではありません。
そこかしこで、以前のカラヤンには見られなかった力みや、感情の欠片が聴き取れます。
われわれはそれに感動するのでしょうし、そうであるからには、この演奏を、名演と位置づけられないわけがありません。
もちろん、1962年の、すばらしく生気にあふれた名演を、われわれはすでに知っています。
そして1977年の、完璧無比ともいえるアポロの彫刻のような音楽も。
ですが、それらを差し置いても、ここにはやはり、特別な【なにか】があると申し上げなければならないようです。
その【なにか】を、わたしがここで言葉にしてしまうのは避けたいと思います。
聴かれた方々自身の言葉で、綴られるものではなければならないと思うのです。
それでこそ、究極の名演・名盤の名にふさわしいのではないでしょうか。

録音は全集中でも最良のものです。
伸びやかで美しいアコースティックサウンドで、声の質もよく収められています。

(録音 1983年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★☆
3 不朽 ★★★★★
4 買得 ★★★★☆
5 必須 ★★★★★


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ベートーヴェン 交響曲第8番&序曲集 カラヤン指揮ベルリン・フィル【カラヤン祭5】


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第8番はベートーヴェンの作品中でも地味な扱いをされている作品ですが、実は大変な名曲ではないでしょうか?
すくなくとも古典派の作品に、ベートーヴェンの8番をしのぐ交響曲はほとんど見られないと思います。
やさしいおおらかな曲と思われていますが、実は演奏によってかなり左右されるということも、近年明らかになってきました。
たとえばアーノンクールの演奏など、爆発的な底力を見せているといってよく、いわば第5番にもっとも近い位置にいる作品として、この曲を位置づけていましたが、カラヤンのここでの演奏も、従来の柔和なイメージを覆すに足るインパクトがあります。
きわめて剛毅で堅牢な音楽として演奏されていますが、そのなかで、気難しい人間(ベートーヴェン、あるいはカラヤン?)がときおり見せる、ふっとした瞬間の笑みを浮かびあがらせている、といった印象を受けます。
この曲を愛する方にはぜひお聴きいただきたい秀演です。
実際カラヤンは、同曲の演奏に、全集のたびに心を砕いているように思え、それぞれ優れた演奏となっているのは、見逃せない点だとも思います。

このほか、このディスクには『コリオラン』『フィデリオ』『レオノーレ第3番』序曲が収められています(個人的には『エグモント』もこちらに入れてほしかったですが……)。
『コリオラン』は追い立てられるような表現が奏功し、じつによい緊迫感が支配する名品となっていますし、高貴な悲しみを表現している点では、カラヤンらしい名演と思います。
『フィデリオ』はやや勢いに欠け、セルの超名演を知るものにとってはさびしい出来栄えですが、安定感には不足せず、曲の良さをよく出しいて、不満を感じさせるものではありません。
また、『レオノーレ第3番』は、全体に豪奢なサウンドを駆使して、まことに絢爛な音楽に仕立てています。作品自体の生命力を見直すほどの名演といってもよく、個人的にはこの長い序曲の最高の演奏のひとつと考えています。

録音は全集中でも屈指の出来栄えです。
とくに序曲集は、楽器個々のニュアンスも豊かに収録したサウンドで、不満をほとんど感じさせません。

SOAVO-1はとてもよい【楽器】なのだと感じます。
YAMAHAが社名を日本楽器ということを、よく思い出させる名機であると思いますし、むしろオーディオファンよりも実際のプレイヤーたちに愛されそうな音ですらあります。
Accuphaseのアンプは、伝統的にYAMAHAのスピーカーとはよくマッチするのかもしれませんが、われながらよい組み合わせであると思っているところです。

告知記事の最初にも書きましたが、いま、この盤はHMVで半額セールのような価格でバーゲン中です。
輸入盤のカラヤン・ゴールドといえば、国内盤よりも音質が優れていますし、通常価格では2200円くらいなのに、1300円弱で買えるのはうれしい限りですね。
ぜひご入手ください。
そして感想も聞かせていただければうれしいです。


さて、次回は全集中最後のディスク、第9番『合唱付き』です。
いままで毎日更新ということにしてきましたが、これは週末更新で、金曜の夜に掲載しようと思います。
しばらくお待ちください。



(録音 1984-85年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★☆
4 買得 ★★★★
5 必須 ★★★☆


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ベートーヴェン 交響曲第5番&第6番『田園』 カラヤン指揮ベルリン・フィル【カラヤン祭4】


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交響曲第5番、俗に『運命』と呼ばれるベートーヴェンの作品です。
ハ短調を使ったこと、構築性に優れた彼の作品の中でも、最高の完成度と深遠さを持った傑作で、古今の交響曲中でも、屈指の存在といえます。
カラヤンは、晩年のこの録音で、力感を少しにおろそかにしない演奏を繰り広げています。
やや予定調和的と思える部分が無きにしも非ずではありますが、公平な眼で見ても、普遍的な良さを持った名演と評価されるに足ります。
非常に直線的に彫刻された美の世界を堪能させてくれる演奏であり、いわば究極にシリアスで美しい第5番ともいえそうです。
1962年の、前のめりになるほどの勢いはここには見られませんが、晴れ晴れとした歓喜の歌は、吹っ切れたよさも感じさせ、ベルリンフィルの安定し卓絶した演奏技術のすばらしさとともに、やはり他の指揮者では得られない領域に達しています。
最高にカッコいいし、爽快さを感じさせる演奏でもあります。

第6番『田園』は、宮城谷昌光氏の解釈によると、自殺を考えた都会に住む人間が、田舎にたどり着き、そこで心を癒されて再起する音楽だといいます(集英社新書『クラシック千夜一曲―音楽という真実』より)。
なるほどそう考えると、じつにさまざまなものが見えてくるのも事実です。
この作品は前述の第5番とともに初演されましたが、あるいはベートーヴェンは、この2曲の根底に流れているものは、同質の問題なのだと認識していたのかもしれません(私のまったくの推測です)。
カラヤンの田園は、他の指揮者とはまったく違う解釈で知られました。
ある評論家の方は、これを【スポーツカーで田園地帯を走りぬけるようなベートーヴェン】と評していましたが、おそらくこれは、スポーツカーをも、またベートーヴェンをも、カラヤンをも見下した言い方ではないかと思います。
ベートーヴェンは田園という曲になにを託したのか?
それが心の再生という問題だとすれば、ここでのカラヤンの演奏を、簡単にしりぞけることはできません。

第1楽章「田舎に到着したときの晴れやかな気分」
第2楽章「小川のほとりの景色」
第3楽章「農民達の楽しい集い」
第4楽章「雷鳴と嵐」
第5楽章「牧人の歌、嵐の後の喜ばしく感謝に満ちた気分」

という楽章構成を持っている曲ですが、いってみればカラヤンほど、【都会人が田舎に来て心をなごませてゆく様子】を呼吸としてみごとに現している指揮者は、私はいないと思うのです。
アンチ・カラヤンと呼ばれたかたがたには興味のない話かもしれませんが、カラヤンという人は、ベルリンフィルの終身音楽監督でありながら、生涯ベルリンには住み着かず、オーストリアのアニフという山村(彼の故郷ザルツブルク近郊)に居を構えていました。
『私は田舎にしか住めない人間なのです』と何度も告白しており、その言葉の真実を、彼のブルックナーやシベリウスのすばらしさに聴くこともできると思います。
たしかにこれは、人懐っこい『田園』ではありません。
やや気取った人間のそれですし、カラヤン自身それでよい(無理に理解されなくてよい)と思っていたようでもあります。
でも、私はこの録音の、嵐(第四楽章)から続く感謝の歌(最終楽章)に、孤独の中に救いを求めて、それを得たいと思った人間の、切実な歌を聴くように思います。

全集最初期の録音です。
後期のものと較べると、たしかに音質はやや硬いかもしれませんが、多くの方には気にならない程度でもあります。
ふくよかさを持っている再生装置ですとわりあい気持ちよく聴けそうです。

ソアヴォ1は、3ウェイ4スピーカーなのですが、ユニット間の繋がりがとてもいいですね。
そのために、よく音楽に浸って楽しめるのだと思います。
微妙なニュアンスや音楽のパッションをも伝えてくれようとするスピーカーです。

告知記事の最初にも書きましたが、いま、この盤はHMVで半額セールのような価格でバーゲン中です。
輸入盤のカラヤン・ゴールドといえば、国内盤よりも音質が優れていますし、通常価格では2200円くらいなのに、1300円弱で買えるのはうれしい限りですね。
ぜひご入手ください。
そして感想も聞かせていただければうれしいです。

(録音 1982年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★☆
2 録音 ★★★☆
3 不朽 ★★★★☆
4 買得 ★★★★
5 必須 ★★★★


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