CLASSIC音楽 不朽の名盤 バイヤーズガイド☆クラシックの名盤・廉価盤情報サイト☆

クラシック音楽CDから、不朽の名盤(&廉価盤)にふさわしいものを点数付で紹介してゆくブログです。初心者の方も歓迎です。新潟でのコンサートレビューもあります

ブルックナー 交響曲第8番 ショルティ指揮ウィーンフィル


icon
icon
↑HMVのサイトに飛びます

もう一枚、佳演のブルックナーを挙げます。
クラシック・ファンなら誰でも知っているように、ショルティは、ワーグナーの超大作『ニーベルングの指輪』全曲盤をはじめて完成させた指揮者です。
しかもオーケストラはウィーンフィルでした。

ショルティのブルックナーというと、日本ではあまりなじみがないですが、彼はシカゴ交響楽団ともすぐれた全集を完成させていますし、マーラーとブルックナー双方で全集を完成させているのは、本当に珍しいことです(しかも、そのいずれもが高いレベルです)。
これは、その全集より十年以上さかのぼる録音ですが、『リング』全曲盤完成の余勢をかったとでもいうのか、掌握しきったウィーンフィルをよくドライヴして、ブルックナーの最高傑作を雄渾に彫りこんでいます。
ですから、ウィーンフィルの力強さや底力がクローズ・アップされている録音といってよく、その剛毅な迫力では比類がないですし、ためらいを見せない思い切った快速テンポで、本来複雑で難解であるはずのブルックナーの音楽を、見事なまでに直線化しているのには感心させられます。
そうかと思えば、緩徐楽章での神秘的な響きや、フィナーレの迫力にもまったく欠けることがありません。
むしろ、フィナーレの爆発力では、有数の凄みを見せているほどです。

ブルックナーの最高傑作あらそいは、未完の第9番を除けば、この第8番と第7番が双璧でしょうが、やや竜頭蛇尾の感がある第7番に較べて、第8番の構成のバランスのよさが、ショルティの構築性の堅固な指揮で浮き彫りにされています。
凡庸な指揮者の手にかかると、行儀の悪い大蛇のようになってしまう大曲ですが、すみずみまで神経が行き届き、しかも常に勢いを失わない好演となっています。

録音も1966年と思えないほど良好なもので、むしろ往時のウィーンフィルの美質をよく保存していると思え好印象です。
また、全曲が一枚におさまることが少ない第8番を、ディスク交換なしに鑑賞しうる数少ない盤であることも、特筆しておきたいと思います。

(録音 1966年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★
2 録音 ★★★★
3 不朽 ★★★
4 買得 ★★★★
5 必須 ★★★


icon
icon
↑あなたもいますぐこの名盤をゲットできます!
HMVでクラシック

クラシック人気blogランキング♪


ブルックナー | コメント:0 | トラックバック:0 |

ブルックナー 交響曲第7番 ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレ


icon
icon
↑HMVのサイトに飛びます

ブルックナーの交響曲に、シベリウス作品との類似性を指摘したのはカラヤンでした。
繊細でささやかな、静謐な美の世界であるシベリウスと、荘厳で巨大な、大伽藍のようなブルックナー。
いっけん似ても似つかないと見える両者ですが、両者に共通しているのが、【人間の営みを超えたところで音楽が成立している】点ではないでしょうか。
ただシベリウスは、フィンランドの凍土に降りた朝焼けや、光ひとすじさえ通らぬ夜のような音楽を、ひたすら個絶して書きましたが、ブルックナーは、まさに自然(もっといえば宇宙)そのものを音楽にしてしまったようなところがありますす。
シベリウスにしてもそうですが、これは単純な自然描写の音楽というのではありません。
そうではなくて、ブルックナーをすぐれた演奏で聴くとき、その音楽は自然(宇宙)と、質量ともに匹敵するものとして、聴き手に感じられるということなのです。
ブルックナーはそれだけ、途方もなく巨大な存在でありえるのです。
音楽が人間の存在をちっぽけに感じさせる、などということが信じられない方は、ブルックナーを聴いてみると、その考えを改めることになるのではないでしょうか。
たとえば宇宙飛行士は、青い地球を見たとき、人間同士の争いを、取るに足らないものとして感じるらしいですが(これは問題の軽視ということではなくて、たとえば民族単位に根ざした思考から脱却する、ということらしいです)、ブルックナーの音楽に身を浸していると、自分の悩みや苦しみが、一瞬でも、ひどく取るに足らない事象のように感じられてくるものです。

それだけの圧倒的な力を持っているブルックナーだからこそ、演奏者には人を選びます。
私は、ブルックナーを演奏するものは、一種の聖人のような心で、その音楽に触れて欲しいとさえ思っています。
そうでなくて、どうしてあの荘厳な音楽が手に負えるでしょう?
実生活云々ではなく、ブルックナーに接するときだけは、清らかな精神でいてほしいと思いますし、そうして生み出されてくる演奏は、やはり名演の資格を帯びているように感じます。

ここでのブロムシュテットの演奏も、そうした名演の系譜に名を連ねるものです。
私は、ブロムシュテットという指揮者を信頼しています。
彼は決して器用なタイプではないと思いますし、音楽が硬いときもあります。
ですが、むやみな即興的演奏を避ける自制心の強固なことと、音楽に奉仕する姿勢は、素晴らしいものがあると思えます。
そうした彼の一世一代の名演というべき演奏が、このブルックナーではないでしょうか。

ジャケットのせいもありますが、まるで静かな湖面に、日光が射しこむように始まる第一楽章が白眉です。
この楽章を聴くだけでも、ブルックナーの素晴らしさを体験できます。
音楽は移ろってゆき、深い森のため息のようにささやき、山肌を覆う雪のように、凍てついた輝きを見せています。
また、巨大な悲しみの音楽ともいえる第二楽章もすばらしい。
深い呼吸から生み出されてくる音楽は、あくまでゆったりと流れてゆくのに、すこしも弛緩したところがないのです。
凡庸な演奏なら、すぐに音楽の流れが滞ってしまうアダージョですが、ここでの指揮も、オーケストラも、見事です。
一転して第三楽章は俊敏なスケルツォ。スケールはさほどでもないですが、充実しています。
第四楽章フィナーレは、これだけの前半楽章のあとに持ってくる音楽としては、いささか拍子抜けですが(ここではブルックナーの音楽が、そういうふうにできているのです)まずは万全の出来栄えです。

録音も聴優秀といえます。
1980年のデジタル録音ですが、ブルックナーの音楽をここまで精密に、しかも美麗に捉えた例はほかにないと思います。
世界最古のオーケストラのひとつ、ドレスデン・シュターツカペレ(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)の信じがたいような美音が、委細まで録音に収められています。

ジャケットデザインもすばらしく、また内容にも見事な一致を見せているのもポイントです。
結論めいたことを申しますと、数ある演奏の中でも、同曲の最高の名盤のひとつであり、また価格の安さもあいまって、最高級の推薦をさせていただきます。

こんな最高のCDからブルックナーに入れる人は、本当に幸せです。
クラシック音楽に親しむいちばんの秘訣は、最初から最高のものを聴くことにあるからです。
そうやってできた物差しは、後々まで財産となるに違いありません。

(録音 1980年)

DISC Recommend
1 演奏 ★★★★★
2 録音 ★★★★★
3 不朽 ★★★
4 買得 ★★★★☆
5 必須 ★★★★★


icon
icon
↑あなたもいますぐこの名盤をゲットできます!
HMVでクラシック

クラシック人気blogランキング♪


ブルックナー | コメント:4 | トラックバック:0 |
| HOME |